愛ってなぁーに 1975年(昭和50年) ドラマ傑作選
専業主婦の西野春子(長山藍子)は、夫の会社から、常務の急死を知らせる電話を受ける。
春子は、夫の史郎(藤岡琢也)が、出張と嘘をついて外泊していたことを知るのだった。
帰宅した史郎が、常務のお供で麻雀だゴルフだと言い訳をするのが春子には滑稽に思えた。
その後、常務の葬儀に出かけた史郎の手帳から、春子は史郎に愛人がいることを知る。
連絡先の電話番号まで突き止めた春子は、史郎に問い詰める。
すると史郎は、一年前から付き合っている女性がいることを白状した。
だが、春子には関係のないことだと言って悪びれた様子もない。
たまりかねた春子は、史郎の愛人・圭子(水沢アキ)に電話した。
しばらくして、圭子が家に訪ねてくる。
圭子は史郎から「妻は病身の上に嫉妬深く、心が休まる間がない」と聞かされていた。
だが、すべて嘘だったと気付き、逆上した圭子は、史郎にケーキをぶつけて大騒動となる。
その後、後片付けをしながら語り合ううちに、圭子と春子はお互いに意気投合してしまう。
夫に依存する妻と、妻のある男を愛する若い女。
二人が一人の男をめぐり、男のエゴイズムと戦う姿を風刺的に描いたドラマ。
「浮気騒動」は、三人の話し合いによって、いったん収まるのだが、今度は「離婚騒動」が持ち上がる。
男の浮気心をめぐるトラブルを、これでもかと突っ込んだあげく、最後は波風を越えたその先に、
落着くべき夫婦の在り方を問いかけるエンディング。
夫婦の絆も努力で作り上げていくもの。作者・橋田寿賀子の中年夫婦へのエールが垣間見える作品である。
(制作)TBS(脚本)橋田寿賀子
(配役)西野春子(長山藍子)西野史郎(藤岡琢也)崎川圭子(水沢アキ)アパートの管理人(大坪日出代)
菅原(小島敏彦)西野亘(上屋建一)