あんみつ姫 1958年(昭和33年) ドラマ傑作選
むかしむかし、甘辛城では殿様・あわのだんごの守をはじめ、領民もみな善人で平和だった。
だが、殿様の発明狂と、一人娘あんみつ姫のお転婆が、いつも奥方・しぶ茶の方を悩ませていた。
姫は、教育係のカステラ夫人をまいて、茶坊主のまんじゅうと城下へ抜け出すのが好きであった。
一方、殿様が発明した品物が四倍に増える「バイバイ薬」が完成すると、隣国の黒雲城の城主、
黒雲勘左エ門は、それを何とか盗み出そうと画策し始めるのだった…。
原作は、1949年(昭和24年)光文社の月刊誌「少女」に連載された倉金章介の同名漫画。
あんみつ姫は、料理裁縫まるでダメ、その上勉強大嫌い、ムダに元気がありすぎる、
可愛い顔だけが取り柄の甘辛城のお姫様。
父親は甘辛城の殿様・あわのだんごの守、母親はその奥方・しぶ茶の方。
ちょんまげの時代なのに、姫は両親をパパ、ママと呼んでいる。
物語は、そんなおちゃっぴいな姫が、城の内外で騒動を巻き起こす時代劇コメディ。
ヒロイン・あんみつ姫を演じたのが、当時、大人気のシャンソン歌手・中原美沙緒。
愛らしい容姿が幅広い層に受けて、たちまち売れっ子アイドルに。
番組は好評を博して二年間、全100回のロングランとなった。あんみつ姫は彼女の代名詞
となり、そのキャラクターは、以後、小泉今日子、井上真央へと引き継がれた。
(制作)KRテレビ(原作)倉金章介(脚本)倉金章介
(主題歌)中原美沙緒、ボニージャックス「あんみつ姫」(作詞:山下与志一、作曲:石川皓也)
(配役)あんみつ姫(中原美紗緒)殿様(太宰久雄)奥方(浜田百合子)お萩(南風洋子)きなこ(小桜京子)
しるこ(八木千枝)あんこ(尾瀬俊子)あずき(桜京美)まんじゅう(谷幹一)黒雲勘左エ門(大森義夫)