あの橋の畔(たもと)   1972年(昭和47年)       ドラマ傑作選

直線上に配置





若手建築家の光晴(近藤正臣)と、OLの葉子(大谷直子)は、愛を誓い合った仲だった。

だがある日、その葉子に縁談が持ち上がる。

相手は兄の会社の部長の信介(津川雅彦)で、大株主の息子だった。


そのため、兄夫婦はなんとか光晴を葉子から遠ざけようとする。

そこへ、光晴が交通事故で重傷を負ってしまう。

二人のすれ違いは、こうしてはじまった…。



菊田一夫原作の本作は、青年建築家と、彼を愛するヒロインが様々な試練を乗り越えて愛を貫くというストーリーで

園井啓介、桑野みゆき主演の大ヒット映画(1962年)を今回、近藤正臣、大谷直子主演でドラマ化したものである。




二人が愛を誓う橋は、映画では東京・有楽町の数寄屋橋だったが、現在はもう橋がないので、新しくお茶の水の聖橋に

変更し、そのほか設定や生活感を現代風に置き換えている。


二人の仲を裂くかたき役(強引に葉子を妻にする)に津川雅彦、その母で嫁いびりの役に宝生あやこなど、

クセモノ揃いの脇役陣が、それぞれ達者な演技を披露して、すれ違いメロドラマを大いに盛り上げている。


なお、主演の大谷直子が過労のため、途中で降板し、全19話中、第16話から東映の御影京子に交代した。


御影が顔を出す第16話は、ヒロインの葉子が白血病にかかり、一段とファンの気をやきもきさせる重要なところだった。

そのため御影は、徹夜で今までの台本を読んだり、過去の作品を試写室で下見するなど、役作りに大わらわだったという。



(制作)NTV、松竹(原作)菊田一夫(脚本)津田幸夫、長谷川公之

(主題歌)渚ゆう子「めぐり逢い」(作詞:橋本淳、作曲:筒美京平)

(配役)菅野光晴(近藤正臣)新村葉子(大谷直子/御影京子)新村健一郎(穂積隆信)沢野信介(津川雅彦

沢野君枝(宝生あやこ)藤川(新克利)しのぶ(珠めぐみ)町田トキ(日色ともゑ)綾(真木沙織)のぶ(松岡きっこ)


直線上に配置