アンチヒーロー   2024年(令和6年)       ドラマ傑作選

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明墨正樹(長谷川博己)は「殺人犯をも無罪にしてしまう」敏腕弁護士。


最初の案件では、町工場の社長が殺され緋山啓太(岩田剛典)が起訴された。

緋山は社長からパワハラを受けており、恨みが爆発して殺害したというのが検察側の見立て。


緋山を弁護する明墨らは第一発見者が虚偽の供述をしていることを突き止め、検察と真っ向勝負に挑む。



無罪を勝ち取ることが弁護士の仕事だが、殺人犯を無罪にした場合、罪を犯しても罰せられない

ことになり、これは人として正しいと言えるのかどうか、という倫理上の問題が生じる。





これまでの弁護士ドラマと言えば、主人公の弁護士は、法と正義を守り、弱者を救済するという、

ある種ヒーロー的立ち位置で格好良く描かれてきた。


一方本作は、裁判に勝つためにあらゆる手段を用い、あらゆる詭弁を弄するという限りなくダークな

主人公の弁護士を通じて、正義のあり方を視聴者に問いかける作品となっている。


第一話の最後に、主人公の弁護士が証人に対して「障害者を差別する奴は絶対に許してはならない」

と語るシーンがある。


ダークな弁護士が社会に立ち向かう本作は、今後、差別やいじめ、格差社会の弱者救済などの問題に

切り込んでいくことが期待され、またドラマ自体の本来のテーマもそこにあるのかも知れない。



(制作)TBS(脚本)山本奈奈、李正美、宮本勇人、福田哲平

(主題歌)milet「hanataba」(作詞作曲:milet)

(配役)明墨正樹(長谷川博己)赤峰柊斗(北村匠海)紫ノ宮飛鳥(堀田真由)白木凛(大島優子)
青山憲治(林泰文)紗耶(近藤華)伊達原泰輔(野村萬斎)緋山啓太(岩田剛典)


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