青い背広で 1937年(昭和12年) 邦画名作選 |
カフェの女給をしているルリ子(黒田記代)のもとへ、父危篤の電報が届く。
父親は、生きているうちに一度、ルリ子の夫に逢いたいという。ルリ子はやむなく、
その日カフェを訪れていたサラリーマンの野口(島耕二)に頼んで田舎に帰るのだが…。
この年、藤山一郎が歌う「青い背広で」が発売され、若いファンを魅了して大ヒット。
本作はそれを主題歌として、劇中に登場させるために制作された作品である。
帰郷した娘夫婦を見て感激した父親は、財産を二人に相続すると言い出す。
人助けだと思って付いてきた野口はビックリしてしまうが、ルリ子はなぜか嬉しそうだ…。
主演の島耕二は、1926年(大正15年)日活入社。監督志望だったが、端正なマスクを買われ、
二枚目スターとして活躍。小杉勇と共に日活現代劇の繁栄に貢献した。
1939年(昭和14年)に監督へ転身。代表作は「暢気眼鏡 1940」「風の又三郎 1940」など。
ヒロインの黒田記代は、1934年(昭和9年)日活入社。「人生劇場 1936」「蒼氓 1937」など
主に文芸映画に出演、日活多摩川の美人女優として人気を博した。小杉勇と組んで
「緑の地平線 1935」「もしも月給が上がったら 1937」など、歌謡ドラマにも出演して活躍した。
製作 日活
監督 清瀬英次郎
配役 | 会社員・野口 | 島耕二 | 女給・ルリ子 | 黒田記代 | |||||||||
会社員・石田 | 見明凡太郎 | タイピスト・八重子 | 岡野初美 | ||||||||||
会社員・山本 | 井染四郎 |