ありがとう   1970年(昭和45年)       ドラマ傑作選

直線上に配置


     




古山新(水前寺清子)は、阿佐ヶ谷にある「十(つなし)病院」に勤務する新米看護婦である。

同じ病院で、付き添い婦として働く母親・友(山岡久乃)と、母一人娘一人で暮らしている。


母親は、仕事への責任感が強く、患者さんには優しいが、自分の娘には何かと厳しい。

新からは鬼のお友と呼ばれている。


新には、恋人がいる。同じ病院の小児科医・虎之助(石坂浩二)だ。

この虎之助は、看護婦たちからモテモテなのだが、本命は新であり、他の看護婦に対しては

上手にかわしているという感じだ。


だが、新が虎之助と交際していることは、母親には内緒というか、なかなか言い出せないのだった。





新米看護婦の娘とその母親を中心に、東京下町の人情の機微を描いたホームドラマ。


主人公の看護婦に、ドラマ初出演の演歌歌手・水前寺清子、その恋人役に、

スマートな二枚目の石坂浩二という一見ミスマッチな組み合わせだった。


だが、ごく普通の「隣のお姉さん」といった水前寺と、当時は雲の上の存在だった

大スター石坂との恋物語は、若い女性たちのロマンス願望を大いにかきたてたようだ。


また、看護婦の同僚には、沢田雅美、小鹿ミキらで、これらのメンバーのからみや

やりとりが、視聴者の好評を博した。



好評につき、水前寺主演の形では三シリーズが制作された。第一シリーズは婦人警官編、

第二シリーズは看護婦編、第三シリーズは魚屋編だ。


当時、婦人警官はあまりよく知られていなかったが、この婦人警官編で人気が出て

応募者が激増し、警視庁から、番組が表彰されるというおまけもついた。



物語の内容や舞台設定はシリーズごとに変更しているが、水前寺清子と山岡久乃が母娘で、

水前寺の相手役が石坂浩二であることは変わらない。


第一シリーズの視聴率は20%前後だったが、その後はうなぎ上りで上昇し、

第二シリーズの看護婦編では、最高視聴率56.3%という「お化け番組」となった。



(制作)TBS、テレパック(脚本)平岩弓枝

(配役)古山新(水前寺清子)古山友(山岡久乃)十(つなし)虎之助(石坂浩二)十(つなし)龍之介(児玉清

十(つなし)章子(河内桃子)十(つなし)鉄之介(岡本信人)千葉広道(山本学)千葉志津枝(長山藍子)

佐久間貴子(乙羽信子)斉藤小雪(小鹿ミキ)宮川十七子(佐良直美)相沢桃(沢田雅美)




直線上に配置