番頭はんと丁稚どん 1959年(昭和34年) ドラマ傑作選
崑太(大村崑)は、少々頭は足りないが親思い、兄弟思いの心根のやさしい少年だ。
田舎の家を出て、大阪船場の薬種問屋へ丁稚奉公に行くことになった。
崑太は早速、教育担当の番頭・雁七(芦屋雁之助)に預けられ、名も崑松と改めた。
だが、丁稚といえば、商家の下っ端の小僧。
先輩の番頭から頭ごなしに呼び付けられ、こき使われる毎日が続くのであった。
船場の薬問屋を舞台に、三人の丁稚が繰り広げる涙と笑いの関西喜劇。
三人の丁稚たちが、番頭(芦屋雁之助)にいびられながらも、それをギャグで笑い飛ばす。
そのドタバタと、そこに流れる大阪らしい反骨精神が共感を呼んだ。
本作は、同じ時間帯の人気番組「私の秘密」(NHK)を凌駕するヒット番組となった。
大村崑は、この番組で時の人気者になり、同年、鞍馬天狗のパロディ番組「とんま天狗」
の主役の座をつかんだ。
また、丁稚をいじめる番頭を演じた芦屋雁之助は、上方を代表する喜劇俳優としてその後も活躍し、
1984年には、大ヒット曲「娘よ」で紅白歌合戦にも出場している。
(制作)テレビ朝日(MBS)(原作・脚本)花登筐
(配役)丁稚・崑松(大村崑)丁稚・一松(茶川一郎)丁稚・小松(芦屋小雁)小番頭・雁七(芦屋雁之助)旦那はん(志摩靖彦)
番頭・利七(梶川武利)御隠居はん(高橋芙美子)女中お八重(三角八重)かな子(長谷百合)新七(小原新二)