薔薇のない花屋   2008年(平成20年)       ドラマ傑作選

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汐見英治(香取慎吾)は、東京の下町で小さな花屋を経営している。


彼は、早くに妻を亡くし、男手一つで娘・雫(八木優希)を育ててきた。


ある日、一人の女性が降り出した雨を避けて店に駆け込んでくる。

彼女は、白戸美桜(竹内結子)といい、盲目で白い杖を携えていた。


この出会いをきっかけに、英治と美桜はしだいに心を通わすようになる。


やがて英治は、美桜の目が手術をすれば見えるようになることを知る。





そして、花屋を人手に売り、美桜のために手術費用を用意しようとする。

だが、美桜の目が見えないのは、じつは嘘で、英治を騙そうとしていたのだ。




花屋を営み、男手一つで娘を育てる主人公を軸に、様々な人間模様が描かれるヒューマンドラマ。



看護師の美桜が目の見えないふりをしているのは、安西病院長(三浦友和)の命令だった。

美桜は、英治を訳あって憎んでいる病院長から、英治を誘惑し騙してほしいと頼まれていた。


病院長の命令に従っているのは、美桜の父親が難病で入院しているからだった。

たが、騙すつもりで盲目のふりをして近付く美桜は、英治に次第に惹かれていってしまう。



ドラマの中では、父と娘の様々な愛の姿が描かれる。

血の繋がっていない英治と娘・雫の物語、難病を抱える父親と美桜の物語、
そして、英治を訳あって憎んでいる病院長・安西とその娘(雫の母親)の物語。


英治と美桜の純愛を軸としながらも、全体的に、父娘の愛情の描写の比重が大きい。


たった一人で血の繋がらない娘・雫を育ててきた英治。
雫の祖父でもある安西からの憎しみを一身に負って、それでも静かに耐えてきた英治。


美桜との出会い、愛して、裏切られて、それでも全身で美桜を愛し続ける英治。
雫の将来を思い、美桜の父への願いを思い、英治はそのたびに自分が犠牲になる道を選んでいく。


無償の愛というものがあるとすれば、英治の愛し方はまさにこれだろう。
家族愛からはじまり、果ては人間愛へとつながっていく大きなテーマを描いた作品である。
   

 
(制作)フジテレビ(脚本)野島伸司

(配役)汐見英治(香取慎吾)汐見雫(八木優希)白戸美桜(竹内結子)工藤直哉(松田翔太)菱田桂子(池内淳子
四条健吾(寺島進)小野優貴(釈由美子)安西輝夫(三浦友和)安西久美子(仁科亜希子)安西瑠璃(本仮屋ユイカ)
平川辰巳(尾藤イサオ)神山舜(玉山鉄二)



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                      薔薇のない花屋