ブレイキング・バッド   2014年(平成26年)       ドラマ傑作選

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主人公のウォルター・ホワイトは、高校の化学教師。

妻と息子を支えるために安月給ながらも懸命に働いている。


ある日、突然倒れ、運ばれた先の病院で末期ガンを宣告される。

彼は自分の死後、せめて残される家族のために金を稼いでおきたいと考えた。

そこで、化学の知識を活かし、覚醒剤を密造して売りさばくことを思いつく。



タイトルは「道を踏み外す」という意味。その言葉のとおり、余命2年と医師から告げられた

田舎町の化学教師が、ドラッグを密造し、家族に金を残そうとするところから物語は始まる。




やがて押しも押されもせぬ「麻薬王」にまでのし上がった彼は、巨万の富を築き上げるが、

裏社会のトラブルに巻き込まれてしまい、一番大切だったはずの家族との絆を失ってしまう。


ドラッグ密造を、エンタメ作品の題材にすることに抵抗を感じる視聴者もいるかもしれない。

だが本作には、アメリカの麻薬との戦いが成功を収めていないことへの皮肉が込められている。


覚醒剤の消費者の多くは、ヤクザや遊び人などではなく、ワーキング・プア(貧困就労者)だ。

最低賃金は低く抑えられ、大手スーパーでフルタイムで働いても生活が苦しい。

子供を育てるには、夜も飲食店などで働き続けるしかない。そのためシャブで眠気と戦うのだ。


彼らにとって、誰もが努力すれば豊かになれるはずのアメリカン・ドリームは、文字通り夢物語

であることを、本作は殺伐と描き出している。


2008年、衛星TVで放映が開始された本作は、またたくまにアメリカ国内で一大ブームを巻き起こし、

テレビ界のアカデミー賞と言われるエミー賞を 2年連続(2013、2014年)で受賞。


本作は、主人公の化学教師が違法行為に手を染めているため、地上波では放映不可能となっている。

だが、絶大な人気を博し、数々のアワードを受賞したドラマほど地上波では放映されていない。


規制の多い地上波TVは、つまらなくなったと言われる昨今、視聴者の衛星TVやケーブルTVへの

ニーズが、今後さらに高まることが予想される。



ブレイキング・バッド(Breaking Bad)(制作)AMC(アメリカ)(放映)SKY

(配役)ウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)(声:牛山茂)

スカイラー (アンナ・ガン)(声:唐沢潤)ウォルター・Jr. (RJ・ミッテ)(声:庄司将之)

ジェシー(アーロン・ポール)(声:茂木たかまさ)ハンク (ディーン・ノリス)(声:木村雅史)

マリー (ベッツィ・ブラント)(声:行成とあ)


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