青空にちんどん 1994年(平成6年) ドラマ傑作選
大阪の下町でウエイトレスをする亜未(工藤夕貴)は、自分が打ち込める夢を求めていた。
ある日、チンドン屋の不思議な音色に心惹かれた彼女は、ウエイトレスを辞め、
勘十郎(西村晃)・サキ(ミヤコ蝶々)夫婦の宣伝社に押しかける。
その会社には、大学を出てチンドン屋になった徹(伊原剛志)がおり、亜未は、
その徹と、何かにつけて衝突してしまうのだった。
実際に大阪でチンドン屋をしている林幸次郎氏の著書「ぼくたちのちんどん屋日記」が原作。
物語は、ガクシさんと呼ばれる徹と、後に結ばれることになる亜未が出会う場面から始まる。
高校を中退して喫茶店で働く亜未は、打ち込めるものが見つからなくて毎日退屈していた。
そんな彼女の前を、懐かしい音色を響かせてチンドン屋が通っていく。追っていく亜未。
このチンドン屋・大阪宣伝社をやっているのは花丸勘十郎で、その頑固な勘十郎をうまく
操縦しているのは女将のサキである。
近所には勘十郎の役者時代を知っている小料理屋の女将・すず子(朝丘雪路)がいる。
ヒロインを演じる工藤夕貴は東京生まれ。江戸っ子の彼女が、西村晃やミヤコ蝶々、伊原剛志ら
関西出身の俳優に囲まれて大阪弁に挑み、浪速娘役に張り切っている。
劇中では「チンドン太鼓」という太鼓と鐘がついた楽器を叩きながら町中を練り歩くのだが、
これが意外と大変で、右手は上下に鐘を叩き、左手は左右に太鼓を打たねばならない。
最初はどうしても動作が一緒になってしまい、苦労の連続だったが、特訓の成果が出て、
ドラマでは無難にこなしている。
(制作)NHK(原作)林幸次郎(脚本)東多江子
(主題歌)モダンチョキチョキズ「愛のモールス信号」(作詞:林幸次郎、作曲:河村光司)
(配役)岡野亜未(工藤夕貴)星山徹(伊原剛志)花丸勘十郎(西村晃)花丸サキ(ミヤコ蝶々)
神崎すず子(朝丘雪路)岡野礼子(松本留美)秀さん(広岡善四郎)雅やん(都京助)