コンフィデンスマンJP 2018年(平成30年) ドラマ傑作選
ダー子(長澤まさみ)は、悪人を騙して金を巻き上げる商売をしている。いわゆる信用詐欺師だ。
相手は悪人であるから、警察に訴えられる心配はない。きわめて安全でぼろい商売である。
そんなダー子と組んでいるのは、お人好しで小心者の詐欺師・ボクちゃん(東出昌大)、
そして超一流の変装技術を持つ詐欺師・リチャード(小日向文世)だ。
今回のダー子のターゲットは、日本のゴッド・ファーザーと呼ばれる赤星栄介(江口洋介)
彼の表の顔は、慈善事業に勤しむ名士だが、裏では地上げで荒稼ぎしている経済ヤクザだ。
赤星が巨額の裏金を飛行機で海外に移動させるとの情報を入手したダー子たち。
そこでダー子ら三人は、赤星と同じ飛行機に搭乗する。
だが、離陸後、飛行機にトラブルが発生。そこで、CAに成り済ましたダー子たちは、
機体を軽くするためだと言い、現金の入った赤星のスーツケースを外に投げ出す。
自分以外は誰も信用しない赤星は、飛行機のパラシュートを奪いスーツケースを追う。
地上に降りた赤星がスーツケースを開けると中にはただの紙切れが。
本物の現金は機内に残っていた。ケースの中身をすり替えるという騙しは見事成功。
これは、空港、飛行機、エキストラまでチャーターした大掛かりなトラップだった。
ダー子たちは、まんまと数億円の裏金を手に入れたのだった。
欲望にまみれた人間たちから大金をだましとる信用詐欺師たちの姿を描いたドラマ。
巨額の裏金を空輸で海外に運んだり、相手を騙すため空港を丸ごとチャーターしたり、
荒唐無稽なスケール感とテンポの良さが、このドラマの持ち味となっている。
最近は、ドラマにしろ映画にしろ、リアリティが求められる時代になったと言われている。
だが、メチャクチャでぶっ飛んだドラマに、リアリティが感じられて見入ってしまうのも、
やはりストーリーの斬新さと、出演者の高い演技力があってこそ。
本作は、主要な登場人物が全て詐欺師という設定で、二転三転する壮絶な騙し合いが繰り返され、
畳みかけるようにまったく息をつかせないドラマ展開となっている。
アクの強いダー子、人の良いボクちゃん、飄々としたリチャードら三人のスタイリッシュかつ
華麗な詐欺の手口は、見ていて爽快であり、非常にエンタメ性が高い作品となっている。
(制作)フジテレビ(脚本)古沢良太
(配役)ダー子(長澤まさみ)ボクちゃん(東出昌大)リチャード(小日向文世)五十嵐(小手伸也)
チョビ髭(瀧川英次)赤星栄介(江口洋介)矢代久美子(未唯 mie)石崎社長(山西惇)