抱きしめたい! 1988年(昭和63年) ドラマ傑作選
池内麻子(浅野温子)は美人で独身のスタイリスト。
ある日、彼女のマンションに親友の早川夏子(浅野ゆう子)が転がり込んで来る。
夏子の夫・圭介(岩城滉一)が浮気、相手の女から「妊娠した」と言ってきたためだ。
だが、その浮気した圭介は、麻子の元カレでもある。
その圭介を、横から夏子が「略奪愛」して結婚したのだった。
そういった微妙な関係にある二人だが、それでも友情を今日まで築いてきている。
圭介とはもう別れると告げ、この部屋に置いてほしいと麻子に懇願する夏子。
突っぱねる麻子に食い下がる夏子。そこにインタホンが鳴り、新しい来客が。
麻子の気になる相手・二宮修治(石田純一)が訪れたのだ。
彼は麻子の仕事のパートナーでもある。新しい企画の件で話がしたいと言う修治。
麻子はどこか外の店で話そうと提案。するとそこへ圭介から電話がかかる。
麻子は「夏子をどうにかしてよ」と告げると、さっさと出かけてしまうのであった。
麻子は、しっかり者の独身キャリアウーマン。一方、夏子は、どこか憎めないチャッカリ主婦だ。
男をとりあいながら、意地を張り合いながら、だけど幼稚園以来の大親友。
そんな二人が繰り広げる、ちょっぴり切ないロマンチックコメディー。
カタカナ職業、高級マンション、最先端のファッションとライフスタイル。
まさにトレンディな要素が詰まった本作は、おしゃれで洗練された新しい
タイプのドラマとして若者たちの注目を集めた。
また、浅野温子と浅野ゆう子の主演の二人は「ダブル浅野」と呼ばれ、
トレンディードラマの象徴的存在として語られるきっかけとなった。
ドラマのタイトルは、恋人同士が寄り添い合う情景を歌ったビートルズの
名曲「抱きしめたい」から採用されたという。
一方、本作の時代背景もまた、いつも誰かと一緒にいなければ不安になる
という、バブル時代の雰囲気を漂わせたドラマとなっている。
(制作)フジテレビ(脚本)松原敏春
(配役)池内麻子(浅野温子)早川夏子(浅野ゆう子)早川圭介(岩城滉一)二宮修治(石田純一)山下純(本木雅弘)
吉沢知佳(生田智子)北村愛(野際陽子)徳永悟(佐藤幸雄)大友銀平(布施博)源川美穂(河合美智子)