dele(ディーリー) 2018年(平成30年) ドラマ傑作選
プログラマー・坂上圭司(山田孝之)は、IT企業「dele. LIFE」の社長である。
坂上は、原因不明の難病で下半身が麻痺し、現在は車椅子生活を送っている。
彼には、真柴祐太郎(菅田将暉)という若手の助手がいる。
真柴は、上司である坂上の「足」となり、主に外での仕事を担当している。
事務所の業務は、依頼人の死後に遺留データを内密に消す仕事をしている。
依頼人のパソコンなどに記録された画像やデータを遠隔操作で削除するのだ。
依頼人が死ぬと、この事務所の仕事が始まるのである。
ある日、さびれた港町で写真館を営む一人の老人が事務所を訪れる。
その老人は、死後のパソコンデータ削除とともに奇妙な依頼を申し出る。
それは自分の死後、データをバラの花とともに、ある女性に届けて欲しいという事だった。
物語の舞台は、デジタル遺品(パソコンなどに残ったデータ)を消去する業務を請け負う会社「dele.LIFE」
25歳のなんでも屋・真柴祐太郎(菅田将暉)が、車椅子のプログラマー・坂上圭司(山田孝之)のもとで、
死んだ依頼人のデータを調べるうちに、意外な事実が明らかになるという、現代感覚の探偵ドラマである。
毎回、削除依頼されたデータに事件を解く鍵があり、謎解きがスリリングなストーリー展開に発展する。
ストーリーもさることながら、視聴者は、坂上と真柴の軽妙な言葉の応酬にも引き込まれる。
孤独な天才プログラマーの坂上、それに対して、明るく行動的だが多少、抜けているところがある真柴。
助手の真柴が面白いのは、依頼人の遺族と関わる時、いつも正体を偽っていることだ。
つまり、情報を探るために別人として振る舞う「演技をしている演技」という二重の芝居をしている。
何の迷いも持たずに別人と振る舞えてしまう真柴は、どこか不気味なところがある。
また、友達がいないから自分の葬式なんか開きたくない、という坂上に「奇遇だね。それ、俺もだわ」
と返す真柴には、明るく見えても実は孤独で、坂上と似たもの同士なのだとわかる。
一見すると坂上がクールな「頭脳派」、真柴がアクティブな「肉体派」という関係に見える。
だが、複雑に見える二人の関係は、実は対等であり、反目しながらもお互い通じ合っているのだ。
そんな二人の関係性が、事件の解決に向け、共同で調査していく中で絶妙な味を醸しだしている。
(制作)テレビ朝日(原作)(脚本)本多孝好
(配役)坂上圭司(山田孝之)真柴祐太郎(菅田将暉)坂上舞(麻生久美子)浦田文雄(高橋源一郎)江角幸子(余貴美子)