独眼竜政宗   1987年 (昭和62年)      ドラマ傑作選

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永禄8年(1565年)伊達家の当主・輝宗(北大路欣也)のもとに、
奥羽の名門・最上家から義姫(岩下志麻)が嫁いでくる。

やがて輝宗に嫡男が誕生し、梵天丸(正宗の幼名)と命名された。


梵天丸は、5歳のとき天然痘にかかり、生死をさまようが命はとりとめる。
だが、この病が原因で右眼を失明してしまう。

片目を失った梵天丸は、己の醜い姿に対して強い劣等感を感じていた。


ある日、梵天丸は寺を訪ね、不動明王の面構えに対して疑問を持つ。




「何故、怒った顔をしているのか?」という梵天丸の問い対して、和尚は答える。

「恐ろしい顔は悪を懲らしめる為である。だが不動明王は本来、慈悲深い仏じゃ」

それを聞いた梵天丸は「人の上に立つ者は、不動明王のようでなくてはならぬ。
梵天丸もかくありたい」と肝に銘じるのだった。



東北の暴れん坊といわれた戦国武将・伊達政宗の生涯を描く一代記。

主人公の政宗役には、当時28歳の若手俳優、渡辺謙が抜擢された。


その演技は荒削りであったが、カッと見開いた片眼の目に圧倒的な迫力があり、
渡辺謙といえば政宗と呼ばれるほど表裏をなす存在となった。

ワキを固める母親に岩下志麻、父親に北大路欣也、さらに政宗に嫁いだ愛姫の
少女期を国民的美少女と呼ばれた後藤久美子が演じたことも話題になった。


そして極めつけは、大河初出演となった豊臣秀吉役の勝新太郎だ。
秀吉といえばサル顔という常識を覆し、晩年の非情な太閤ぶりを見事に見せつけた。


正宗が秀吉と初対面する小田原の陣でのシーンは、その撮影まで勝と渡辺は
一切顔を合わせず、互いに緊張感を高めて芝居に挑んだという。


結果「独眼竜政宗」は、大河史上最高の40%という平均視聴率を叩き出した。
   

 
(制作)NHK(原作)山岡荘八(脚本)ジェームス三木
(配役)伊達政宗(渡辺謙)伊達輝宗(北大路欣也)保春院(岩下志麻)愛姫(桜田淳子/後藤久美子
鬼庭左月(いかりや長介)豊臣秀吉(勝新太郎



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