新世紀エヴァンゲリオン 1995年(平成7年) ドラマ傑作選
エヴァンゲリオン(Evangelion) とは、ギリシア語で福音(Good News) の意味である。
作品のテーマは、ユダヤ神秘思想をモチーフとした人類の魂救済を志向しているとされるが、
罪多き人間が産み出した人造人間の名が「エヴァ」というのは、原作者の大いなる「アンチテーゼ」であろうか。
物語の舞台は近未来、2015年の富士山麓、第3東京市。
その第3東京市に対し、正体不明の「使徒エンジェル」と呼ばれる存在が、断続的に攻撃を仕掛けてくる。
その攻撃に対抗できるのは、巨人型人造人間エヴァンゲリオン(通称エヴァ)のみが知られているが、
これもまた人類のテクノロジーを超えた存在であり、しばしば暴走する。
エヴァは3体あり、それぞれに14歳の子供(シンジ、アスカ、レイ)が専属操縦者として選ばれている。
ストーリーは、この3人に、29歳の女性ミサトを加えた4人の人物を中心に進む。
シリーズ前半、作品は、ほぼよくできたSFアニメとして進行する。
だが、シリーズ後半、その作品世界は、急速に凄惨さを増し、登場人物たちはコミュニケーションを失い、死に近づいていく。
作品世界上の謎も加速度的に増殖し、視聴者も登場人物たちも、物語の迷宮に突き落とされる。
最終2話は抽象的映像による主人公の内面描写に終始する。
ストーリーはここで中断、第24話まで構築された作品世界上の謎と物語的結末の突然の放棄は、
アニメファンのあいだに極めて大きな動揺を引き起こした。
(制作)テレビ東京、ガイナックス(GAINAX)(監督・脚本)庵野秀明
(配役)碇シンジ(緒方恵美)葛城ミサト(三石琴乃)赤木リツコ(山口由里子)綾波レイ(林原めぐみ)
アスカ・ラングレー(宮村優子)碇ゲンドウ(立木文彦)冬月コウゾウ(清川元夢)加持リョウジ(山寺宏一)
鈴原トウジ(関智一)相田ケンスケ(岩永哲哉)、洞木ヒカリ(岩男潤子)
残酷な天使のテーゼ