元気です! 1980年(昭和55年) ドラマ傑作選
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明治7年、征韓論を背景に土佐の不平士族が岩倉具視を襲撃した。
暗殺に失敗した一味は逃走し、負傷者を医者の家に運んだ。
手当を強要し、その後医師夫婦を惨殺してしまう。
居合わせた息子の信吾(石田純一)は、男ともみ合ううちに、
誤って一味の一人を射殺してしまう。
信吾と妹あや(宮崎美子)は逃亡するが、二人は殺人犯として
官憲に追われることになる。
畑嶺明のオリジナル脚本。物語は、東京の町医者の娘が両親を殺され、
犯人を撃った兄らと共に逃亡する場面から始まる。
明治7年1月、実際に起きた不平士族による岩倉具視暗殺未遂事件を題材にしており、
いきなり冒頭からヤマ場となり、起伏の多い動的なストーリー展開を見せている。
本作は、ミノルタカメラのCMガールとして茶の間に人気の宮崎美子の
TVドラマデビュー作となった。
演技はほとんど素人に近いが、それほど危なっかしくはなく、体当たり的な
アクションで一生懸命なところを見せている。
共演は、口のきけない聾唖の使用人に扮する伊藤敏八と、兄役の石田純一が
好演し、宮崎を盛り立てている。
(制作)TBS(脚本)畑嶺明
(主題歌)吉田拓郎「元気です」(作詞作曲:吉田拓郎)
(配役)井沢あや(宮崎美子)井沢信吾(石田純一)井沢精庵(仲谷昇)井沢杉(柳川慶子)
大村海之助(伊藤敏八)中森茂造(伴淳三郎)中森良作(小倉一郎)
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