牛乳とブランデー 1966年(昭和41年) ドラマ傑作選
商事会社の課長・中丸祐之(芦田伸介)は、妻・千波と5歳の娘・ヒナ子と3人暮らし。
会社ではウルサイ存在の祐之だが、家では完全に千波(池内淳子)の尻に敷かれている。
健康のためにと、朝から千波に飲まされる牛乳も、どうも好きになれない。
さらに近頃、娘も母親に似てきて、母子で祐之の行動にあれこれ口を出してくるありさま。
独身の同僚たちをひそかにうらやみ、時にはひとりで旅にでも出てみたいと思う祐之だった。
旦那は酒好きなのだが、家では尻に敷かれて、好きでもない牛乳を飲まされている。
結婚生活における夫と妻の「思いの違い」を描いたホームドラマ。
男にとって妻は、日頃から自分を束縛する、とてもうっとうしい存在。
だが、いざいなくなると、これはこれで不自由で寂しく思うもの。
かねて気ままな独身生活に憧れていた主人公は、夫婦ゲンカのあげく妻に出て行かれ、
図らずも念願がかなったものの、すぐにもとの不自由さが恋しくなる…。
怒りにまかせて出て行った妻もまたしかり…。
牛乳とブランデーのカクテルのように「果たしてこの二人は合うのだろうか?」という
組み合わせが、人によってはベストマッチだったりするのだ。
これまでは悪役や刑事役など、シリアスな役どころが多かった芦田伸介だが、
本作では、コメディ俳優としての新境地を披露している。
(制作)TBS(脚本)橋田寿賀子
(配役)池内淳子、芦田伸介、斉藤達雄、一の宮あつ子、奈良岡朋子、野々村潔、本郷秀雄