半七捕物帳 十手無用の仮面舞踏会 1987年(昭和62年) ドラマ傑作選

元岡っ引きの半七(森繁久彌)は69歳。
明治維新以来、姪のお糸(麻生祐未)の世話を受けながら赤坂で一人暮らしをしている。
ある日久しぶりに浅草に出かけた半七は、若い新聞記者の岡本綺堂(平田満)と知り合う。
半七は、自分が37歳の時に手がけた「異人の首事件」を岡本に話した。話を聞いた岡本は、
明治政府の高官である野田光照(津川雅彦)の過去がどこか真犯人と似通っていると語る。
驚いた半七は、再び事件を洗い直すことに…。
ヒューマニズムに溢れた人情話を軸に、一話完結の形式で描く傑作時代劇シリーズ第一弾。
引退した岡っ引き・半七老人が、異人の首事件にまつわる真犯人を突き止めるまでを描く。
異人の首事件とは、明治維新の頃、攘夷派の軍資金集めと称して、江戸中を荒らし回り、
挙句の果てに殺人まで犯した極悪人の男がいた。
若き日の半七(西郷輝彦)が犯人を追い詰めたが、最後のところで男を逃してしまった。
本作は、晩年の半七老人が、ふとしたきっかけで、未解決に終わったこの事件の犯人を知り、
再び十手を持ち出して、今は政府高官となっているその男の追及に乗り出すというもの。
老半七と新聞記者の岡本との会話のはしばしから、庶民にとって明治維新とは何だったのか
といった問いかけが立ち上ってくる。
そしてその維新から、すでに二十数年、まだちょんまげを残したままの半七老人が、時代に
取り残されたままの悲哀感を色濃く漂わせている。
そんな老半七に扮した森繁の独特の味わいもまた、本作の見どころとなっている。
(制作)ANB(全国朝日放送)(原作)岡本綺堂(脚本)杉山義法
(配役)半七(森繁久彌/西郷輝彦)お糸(麻生祐未)岡本綺堂(平田満)松吉(江藤潤)
野田光照(津川雅彦)野田秋子(長山藍子)野田としこ(柿崎澄子)お粂(白都真理)
