半沢直樹   2013年(平成25年)       ドラマ傑作選

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ドラマ「半沢直樹」のテーマは「かたき討ち」である。

堺雅人演じる半沢は、メガバンク東京中央銀行に就職する。


その目的は、父親の会社を助けてくれず、自殺に追い込んだ
当時の担当者、大和田(香川照之)に復讐するためであった。

親のかたき討ちのために、半沢は剣術も習得し、有段者の腕前だ。


だが、かたき討ちといっても、相手の首を打ち取るわけにはいかない。
現代社会では、かたき討ちは法律で認められていないからだ。



ではどうするか。半沢は冷酷非道な大和田を「土下座」させることを誓う。
土下座によって、父親の屈辱を大和田にも味合わせようとしたのである。


ドラマの後半、大和田の策略で、半沢は出向という名の島流しに遭うかどうかの
ピンチに追い込まれてしまう。

だが取締役会で形勢逆転、大和田の不正を暴いて土下座させることに成功した。


この土下座によって、ドラマの視聴者も溜飲を下げることができた。

最終話の土下座のシーンは、なんと最高視聴率42.2%を記録したのである。


この「悪い奴をやっつけて、溜飲を下げる」という構図は、時代劇「水戸黄門」で
悪人一味が、黄門様の前に土下座して平伏する場面に通ずるところがある。


日本人の好きな「水戸黄門」「遠山の金さん」「暴れん坊将軍」などの時代劇は、
見る者を安心させる要素が共通にある。

絶対に「悪い者は成敗される」という勧善懲悪の世界だからだ。


「半沢直樹」に視聴者からの大きな反響が集まったのは、こういった時代劇の要素を
存分に盛り込んだドラマだからこそであろう。

   

 
(制作)TBS(原作)池井戸潤(脚本)八津弘幸
(配役)半沢直樹(堺雅人)半沢花(上戸彩)渡真利忍(及川光博)中野渡謙(北大路欣也
大和田暁(香川照之)黒崎駿一(片岡愛之助)藤沢未樹(壇蜜)
 


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