快傑ハリマオ 1960年(昭和35年) ドラマ傑作選
太平洋戦争直前、東南アジアは欧米諸国の植民地となっていた。
某国の軍事機関「ジャワ統治庁」は、秘密裏に東南アジア全土の征服を企てていた。
それは民衆を弾圧して反乱を誘発、鎮圧を名目に軍を出動させる恐るべき計画だった。
民衆が虐げられるその時、何処からともなく馬の蹄の音が聞こえてくる。
その馬に乗ってやって来るは、ターバンにサングラスの正義の戦士、ハリマオである。
民衆を苦しめる悪党に向かい、今こそ正義の銃が火を吹くのだった!
1956年「日本経済新聞」に連載された山田克郎の海洋小説「魔の城」のドラマ化。
物語は、戦争直前の東南アジアを舞台に、日本人「ハリマオ」が、アジアを支配する某国の
軍事機関や、彼らと結託する武器商人を相手に、激闘を繰り広げる冒険活劇となっている。
ハリマオは、抑圧されている民衆を救うために、仲間と共にどこからともなく颯爽と現れるが
ターバンとサングラスで素顔を隠しているため、その正体は誰も知らない。
だが、主人公であるハリマオは、かつてマレー半島において大日本帝国陸軍に協力し、
「マレーの虎」の異名を持つ谷豊という実在の人物をモデルにしているという。
本作は、テレビドラマとしては初の海外ロケ(カンボジアのアンコールワット)を行ったり、
最初の5話を試験的にカラー(日本初)で制作したりと、何かと話題の多かった作品である。
また、三橋美智也が歌う演歌調の主題歌も印象的だった。
(制作)NTV、宣弘社(原作)山田克郎(脚本)御手俊治
(主題歌)三橋美智也「快傑ハリマオの歌」(作詞:加藤省吾、作曲:小川寛興)
(配役)ハリマオ(勝木敏之)太郎(町田泉)太郎の父(斉藤清末)令子(近藤圭子)
陳秀明(大竹タモツ)ドンゴロスの松(中原謙二)キャプテンK・K(牧冬吉)