否認 1994年(平成6年) ドラマ傑作選
県発注工事に絡む贈収賄事件で、建設会社営業部長・高野(近藤正臣)が逮捕された。
検察は、贈賄が社長(小松方正)の指示ではないかと迫るが、高野は「自分の独断」と
供述し、社長の関与を否認する。
うだつの上がらない駆け出しの弁護士・曽根(中井貴一)が、高野の弁護を担当するが、
曽根を信用できない社長は、俊敏で知られる富田(別所哲也)に主任弁護人を依頼する。
原作は、1976年に発覚したロッキード贈収賄事件で、元首相の田中角栄に論告求刑をした
検事・堀田力が捜査中に過労で倒れ、その入院中に書いた同名小説。
ドラマは、真実を追及しようとする曽根(中井)と、裁判はゲームだと主張する富田(別所)
との対立がはっきりしたところで裁判が始まる。
だが、社長つまりは会社を守らねばと思う実直な被告・高野の姿に、続発する当時のゼネコン
汚職が重なり合って、真実を語ることの難しさが伝わって来る。
また、同じ会社に勤める高野の娘・純(鈴木京香)の個性と、二人の弁護士との恋愛模様も
ドラマに華を添えている。
(制作)NHK(原作)堀田力(脚本)高木凛
(配役)曽根吐夢(中井貴一)高野純(鈴木京香)高野万治(近藤正臣)佐藤社長(小松方正)
富田弁護士(別所哲也)牧弁護士(菅原文太)大原検事(松尾貴史)