細うで繁盛記 1970年(昭和45年) ドラマ傑作選
大阪の料亭の娘に生まれた加代(新珠三千代)は、店を盛り立てることを夢見る。
だが、終戦後に店は没落してしまう。
やがて加代は、伊豆・熱川の老舗旅館「山水館」の正吾(滝田裕介)の元に嫁ぐ。
山水館を近代的な旅館にしようとする加代だったが、伝統的な商売にこだわる
夫の正吾や義妹の正子(冨士眞奈美)に邪魔をされる。
だが、加代の様々なアイデアと丁寧な心遣いで、徐々に客が増え始めていった。
終戦直後、熱川の山水館に嫁いできた関口加代が、身内のいじめに負けずに頑張り
店を大手旅館チェーンにまで育て上げる根性物語。
脇役が揃っていて、大村崑、園佳也子、高島忠夫、大友柳太朗、浪花千栄子らだったが、
なんといっても強烈なのは、牛乳瓶の底の眼鏡をかけた冨士眞奈美扮する正子だった。
「ちょっくら! 加代、おみゃーの出る幕じゃあ にゃーズラよ!」などと、
加代に対するイビリが真に迫っていて、視聴者に強烈な印象を与えた。
本作は、上方ど根性ものを得意とし、脚本6000本を残した花登筐の最高傑作とされている。
当時の日本は、まさに高度経済成長の真っ只中。
努力は報われるというサクセスストーリーは、商店主やサラリーマン世代の絶大な
支持を得て、最高視聴率38.0%を記録し、全国的な大ヒットドラマとなった。
(制作)日本テレビ(YTV)東宝(原作・脚本)花登筺
(配役)関口加代(新珠三千代)清二(高島忠夫)善三(大村崑)徳川(谷幹一)お多福(園佳也子)
原田正吾(滝田裕介)原田正子(冨士眞奈美)原田春江(柏木由紀子)ゆう(浪花千栄子)糸商の旦さん(大友柳太朗)