時代屋の女房  1983年(昭和58年)       邦画名作選

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安さんと呼ばれる中年男が営む「時代屋」という骨董店。

ある日、猫を抱きつつ日傘を差したマユミという女性がやってきて、店に居ついてしまった。

安さんは何も聞かず、マユミもひょいと家を出たらしばらく帰ってこない。
そんな日々が続いていたが…。



骨董店を営む中年男が、転がり込んできた美女と暮らし始め、彼女の不可解な行動に翻弄される。

原作は直木賞を受賞した村松友視の同名小説。謎に包まれたヒロインを夏目雅子が好演している。

舞台は「時代屋」という骨董店。ある日、正体不明の女が訪れ、店の二階に住み着いてしまう。
ミステリアスな美女が、突然、押しかけ女房にやって来る様は、民話を思わせる出だしである。


民話に登場する異界では、非現実なことが当たり前に起こり、そこにファンタジーが生まれる。
その美女は、骨董店を異界の出入口として、消えたり現れたりするファンタジーな存在である。

人間に幸運や富を与える異界の住人よろしく骨董店が繁盛するというご利益をもたらしている。
まさに本作品は、マユミと名乗る異界の美女をヒロインとしたファンタジー映画の傑作である。




  製作  松竹

  監督  森崎東

  配役   安さん 渡瀬恒彦 ユキちゃん 中山貴美子   トン吉のおやじ    藤木悠 
      マユミ 夏目雅子 今井さん 大坂志郎   トン吉のおかみ    藤田弓子 
      ミサト 夏目雅子 菊池松江 朝丘雪路        
      マスター 津川雅彦 若者 沖田浩之        

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