女系家族 2005年(平成17年) ドラマ傑作選
日本橋の呉服店「矢島屋」の社長が亡くなり、遺産の相続をめぐって親族が一堂に会した。
故人から死後の手続きを一任された専務(橋爪功)は、そこで遺言状を公開する。
その遺言状には、莫大な遺産の配分だけでなく、故人の愛人の存在が記されていた。
初めて知る父親の愛人の存在に、残された3人の娘は嫌悪感をあらわにする。
そして専務に、その愛人を家へ連れてくるよう命じた。
やがてその愛人・文乃(米倉涼子)が矢島家を訪れる。
文乃は、お悔やみとこれまでの非礼を詫びながら挨拶すると、次のように告白した。
「皆様にご報告があります、私、お父様の子供を身ごもっております」
1962年(昭和37年)週刊文春に連載された山崎豊子の同名小説のドラマ化。
「黒革の手帳」で悪女を演じ、新境地を開拓した米倉涼子が、本作では遺産相続をめぐる
骨肉の争いのなかで、じっと耐える芯の強い女を好演している。
原作は戦後間もない大阪船場の木綿問屋が舞台だが、本作は現代の東京日本橋の呉服屋に置き換えられた。
伝統や格式を重んじる老舗というイメージではなく、現代の会社組織のなかで、女系の一族経営の限界を
描くという新たな視点で物語が展開されている。
(制作)TBS(原作)山崎豊子(脚本)清水曙美
(配役)浜田文乃(米倉涼子)矢島藤代(高島礼子)矢島千寿(瀬戸朝香)矢島雛子(香椎由宇)
矢島良吉(沢村一樹)矢島嘉蔵(森本レオ)矢島芳子(浅田美代子)大野宇市(橋爪功)
梅村芳三郎(高橋克典)木村かおり(田丸麻紀)