熟年離婚 2005年(平成17年) ドラマ傑作選
豊原幸太郎(渡哲也)は、めでたく定年退職の日を迎えた。
送別会の帰り、幸太郎はこれまでの会社員生活を振り返り「俺もよく頑張ったなあ」
と自分をねぎらった。と同時に、今後の人生について考えを巡らした。
今まで、ずっと仕事ばかりで家庭を顧みなかったが、これからは妻と一緒に
旅行でもして楽しい老後を過ごそう。
そう思った幸太郎は、帰り道で妻への感謝のプレゼントを買い、二人で行く
海外旅行のチケットをもって家路についた。
だがプレゼントをもって帰った幸太郎の前に差し出されたのは、妻からの離婚届だった。
渡哲也が扮するのは、定年退職を迎えた日に、妻(松坂慶子)から離婚を言い渡される男。
真面目人間で、現場のたたき上げから部長まで昇進した。
定年を迎え、これからは妻と海外旅行を楽しもうと思った矢先に、突然離婚を切り出される。
夫が家にいる日は気詰まりなだけ、それが毎日続くなんて、というのが妻の言い分。
そんな衝撃的なシーンから始まり、夫婦の建前と本音をシリアスかつコミカルに描くホームドラマだ。
団塊の世代を中心に中高年男性にとっては、ひとごととは思えない題材がつぼにはまったのか、
初回視聴率は18.7%という高視聴率を記録した。
離婚を言い渡された渡哲也が、エプロン姿で慣れない台所に立つシーンがある。
これを夫婦でいる間に、たまにでいいからやっとけばよかったのだ。
そのエプロン姿にぐっときた女性視聴者も多かったという。
ほんのちょっとの気配りの積み重ねが、夫婦生活を長続きさせる秘訣なのかも知れない。
(制作)テレビ朝日、共同テレビ(脚本)橋本裕志
(主題歌)COLOR「音色」(作詞:ATSUSHI、作曲:春川仁志)
(配役)豊原幸太郎(渡哲也)豊原洋子(松坂慶子)豊原俊介(徳重聡)豊原みどり(片瀬那奈)
豊原喜久枝(草笛光子)小林律子(高島礼子)小林善三(西村雅彦)水谷聡美(桜井幸子)