ジャングル大帝 1965年(昭和40年) ドラマ傑作選
アフリカ奥地では、パンジャという名の白いライオンが出没、魔神として人間たちから恐れられていた。
動物たちから王者と崇められていたパンジャだったが、ついに密猟者の手にかかって命を落とす。
一方、パンジャの妻であるエライザは捕獲され、移送先のヨーロッパへ向かう船内でレオを出産する。
その後、船は嵐に巻き込まれてしまう。エライザは、嵐の中で沈み行く船からレオを逃がす。
海上を漂流していたレオは、近くを通りがかった船に救助され、港に上陸する。
そこでレオは心優しき人間のケンイチたちに出会い、やがてアフリカへ戻ることになった。
しかし、レオが帰った故郷アフリカは、過酷な弱肉強食の世界になっていた。
ジャングルを平和にすべく、レオの目ざましい活躍がはじまるのだった。
1950年から1954年まで「漫画少年」に連載された手塚治虫の同名漫画のTVアニメ化。
本作は、日本初のカラーアニメであり、主題歌は、約40人で編成されたオーケストラを起用している。
アメリカで放映されることが決まった時、担当者が「音楽だけでもこの作品を買う」と高い評価を示した。
生き物同士の闘争が描かれる本作は、大自然を前にしての争いの小ささと虚しさがテーマとなっている。
本作は元々、ディズニー「バンビ 1942年」のプロットの転用であり、キャラクターの借用でもあった。
「バンビ」は、小鹿が父の死をきっかけに、オーストリアの森の王へと変身をとげてゆく物語だが、
本作では、白ライオンの子供が、やがてジャングルの王者として君臨してゆくというストーリーであり、
まさしく「バンビ」の物語をパクッて創られたことが窺えるのである。
このときはディズニー側からクレームは来なかったのだが、その後、今度はディズニーが「ジャングル大帝」を
丸ごとコピーし、キャラクターの色だけを変え「ライオンキング 1994年」として世界的に大ヒットさせた。
40数年の歳月を経て、本家に見事パクり返されたのである。
(制作)フジテレビ、虫プロ(原作)手塚治虫(脚本)辻真先
(主題歌)「ジャングル大帝のテーマ」(作詞:石郷岡豪、作曲:冨田勲)
(配役)レオ(太田淑子)パンジャ(小池朝雄)エライザ(新道乃里子)ライヤ(松尾佳子)
ケンイチ(関根信昭)マリー(山本嘉子)ヒゲオヤジ(千葉順二)ハム・エッグ(中曽根雅夫)
ジャングル大帝のテーマ