鍵     1959年(昭和34年)       邦画名作選
直線上に配置

古美術鑑定家の剣持は、老化と精力の減退に悩んでいた。

若い妻との肉体関係に執着しているが、なかなか体が思うようにいかない。
そこで彼は、自分の若さを保つため、密かにある計画を企てる。

剣持が通う病院の若い医学生・木村は剣持の娘・敏子の恋人だった。
ある夜、木村が剣持の家を訪問し、大いに飲んで楽しんだ。

そして酒に酔い浴槽で気を失った妻の介抱を木村に手伝わせ、自分は姿を消す。
そして妻と木村を深い仲にさせ、彼らの睦まじい姿を密かにのぞき見ようとする。

剣持は湧き起こる嫉妬を通じて、心身に妖しい興奮をおぼえるのだった…。


中央公論に発表した谷崎潤一郎の同名小説を、市川崑が映画化したもの。
映倫が成人映画に指定し、18歳未満の鑑賞を制限したいわくつきの作品。

ある初老の男が、減退する性欲を焚き付けるために「嫉妬」を利用することを思い付く。
そして自分の妻に若い医学生を近づけ、彼女に眠っている性的歓喜を覚醒させようとした。

妻は、夫の言いなりになる「貞淑な妻」を装っているが、実際は、夫の仕掛けた遊びに
渋々入ったかに見えて、本当はその遊びを楽しんでいるのだった。

奔放で小悪魔的な女性に振り回されたいと願う初老の男の倒錯した性的嗜好が描かれており、
内面に潜むマゾヒズムの願望という「痴人の愛」「春琴抄」と同じテーマが再現されている。


  製作  大映
  監督  市川崑

  配役 剣持 中村鴈治郎         敏子    叶順子          はな    北林谷栄 
  郁子 京マチ子         木村    仲代達矢               

直線上に配置