神様、もう少しだけ   1998年(平成7年)       ドラマ傑作選

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音楽プロデューサーの石川啓吾(金城武)は、実業家として成功はしているが、

人生に満たされないものを感じていた。


啓吾はある日、ギャル系女子高生の叶野真生(深田恭子)に出会う。

真生は、ケータイを持ち街を徘徊、時には援助交際で小遣いを稼ぐ、今時の女子高生。

だが彼女もまた、生きるということの意味を手探りしていた。


偶然にも出会った二人は、どちらが誘い、誘われるという風もなく一夜を共にする。

啓吾は、真生の天真で素直な気持ちに、心が満たされ、彼女に魅かれる。




一方、真生にとっても啓吾との出会いは人生を一変させた。

だが三カ月後、二人を待っていた現実は、HIV感染という事実だった。



本作は、HIV(エイズウイルス)に感染した少女と、彼女を愛した青年の純愛物語。


売れっ子音楽プロデューサーとしてもてはやされながら、心に空洞を抱えた啓吾(金城)、

カラオケに付き合うぐらいなら援助交際もOKと考える、今時の女子高生・真生(深田)、

全く別の道を歩いてきた二人の人生がある時、クロスし、恋が始まった。


少女は男の熱烈なファンだった。だから、彼のプロデュースしたコンサートのチケットを

紛失してショックを受け、悩んだ末に売春までしてダフ屋からチケットを手にいれた。

それがHIV感染に結びつくとは夢にも考えずに…。


「人を好きになるのに理由なんかない、生きてるのに理由なんかないのと同じだよ」


感染を知った真生が、啓吾に苦しい胸の内をぶつけるこのセリフは第2話に登場する。

愛と死という究極の主題を象徴する言葉だ。



主演は、アジア映画界で活躍中の金城武。人を人とは思わない、傲慢なプロデューサーだったが、

少女と出会い、人間愛に目覚めるという役どころはぴったりだ。


共演は、今回ヒロインに抜擢された新人の深田恭子。初回は地でやってるような高校生役だが、

難病と相対してゆく後半は、渾身の情感を込めた演技を披露して一躍注目を集めた。


本作は、平均視聴率22.6%、最高視聴率28.3%(最終回)という驚異的な数字を記録し大ヒット、

放送後はHIVに対する関心が高まり、検査を受ける人が急増するなど、大反響を巻き起こした。



(制作)フジテレビ(脚本)浅野妙子

(主題歌)LUNA SEA「I for You」(作詞作曲:LUNA SEA)

(配役)石川啓吾(金城武)叶野真生(深田恭子)日比野イサム(加藤晴彦)織田麻美(矢沢心)

野口孝明(永堀剛敏)瀧村カヲル(仲間由紀恵)瀧村リサ(宮沢りえ)久保隆(東根作寿英)

叶野義郎(平田満)叶野弥栄子(田中好子)伊沢浩之(竹下宏太郎)


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