家政婦は見た! 1984年(昭和59年) ドラマ傑作選
派遣先の家庭の秘密を覗き見ることが趣味の家政婦・石崎秋子(市原悦子)は、
代議士秘書・仙波昭夫(前田吟)宅で働くことになった。
代議士の氏家壮介(鈴木瑞穂)は、脳卒中を患ってしまい、次の選挙には
秘書である仙波が出馬する予定で、仙波家は多忙をきわめていた。
仙波には献身的に尽くす妻の房子(松原智恵子)と十八歳の娘・弓子、
そして、生後間もない長男の雷太がいる。
好奇心旺盛な秋子が初日から聞き耳を立てているところを、出入りしている
新聞記者の邦枝マキ(長谷直美)に見つかってしまう。
マキは買い物に出かけた秋子を捕まえると強引に喫茶店に誘ってきた。
マキは仙波と房子が長らく夜の関係がご無沙汰であることを持ち出し、
姉の弓子とは、かなり年が離れた長男の雷太が、実は氏家の子供ではないかと
疑っており、秋子に雷太の血液型を調べて欲しいと依頼するのだった。
人情もろく正義感も強いが、よその家庭の秘密を探るのが何よりも好きという
家政婦・石崎秋子を市原悦子が演じる人気シリーズドラマ。
秋子は、家政婦紹介所の一室で猫と暮らす独り身の家政婦。
会社社長、代議士、高級クラブ経営者など、秋子が派遣される上流家庭は、
何かしら問題を抱えており、秋子の「詮索趣味」を刺激する。
一見恵まれた上流家庭の恥部を暴く秋子の活躍に、視聴者は胸のすく思いだ。
また、紹介所に寝泊りしている家政婦たちが、ちゃぶ台を囲んでの食事の際に、
雇い主たちの秘密をサカナに盛り上がるシーンが、毎回の定番となっている。
(制作)ANB(朝日放送)大映(原作)(脚本)柴英三郎
(配役)石崎秋子(市原悦子)大沢キヌヨ(野村昭子)仙波昭夫(前田吟)
仙波房子(松原智恵子)仙波弓子(菊地陽子)氏家壮介(鈴木瑞穂)邦枝マキ(長谷直美)