家族あわせ 1974年(昭和49年) ドラマ傑作選

喜久代(山岡久乃)は、大工あがりの工務店主の夫・建次(千秋実)と別居して七年。
着物の仕立てをして、二人の子供を育ててきた。
中年夫婦の別居は、どちらかと言えば、男のほうによりこたえるのか、
このところ亭主の建次のほうが、喜久代とヨリを戻したい様子だ。
とっくの昔に女と別れた建次は、いろいろと和解策を試みるのだが、
妻の喜久代は、何を今さらという感じで戻ろうとしない。
彼女としては、七年前の亭主の小浮気ぐらいどうでもいいのだが、
別居してはじめた和裁の仕事が、神楽坂という土地柄もあって大繁盛。
お針子を三人も雇い、いまさらやめたくないのが本心だ。
ところがあるとき、喜久代の弟・幸一(杉浦直樹)、そして長男の達也(篠田三郎)の
縁談をきっかけに、心ならずも七年ぶりに夫婦が顔を合わせることになった。
いまだに憎からず思っている喜久代と建次だが、久しぶりの顔合わせだけに、
何かと気持ちがギクシャクする二人だった。
さてもさても、別居七年を経て、中年男女がヨリを戻す条件はいったい何か。
このドラマのメインテーマが、終盤を迎えてようやく動き出した。
(制作)TBS、テレパック(脚本)楠田芳子
(配役)渡部喜久代(山岡久乃)渡部建次(千秋実)渡部達也(篠田三郎)渡部洋子(丘淑美)
中川たみ(杉村春子)中川幸一(杉浦直樹)中川澄(吉野佳子)大沢朋子(浅茅陽子)
大沢治夫(美川陽一郎)大沢文子(露原千草)岡本鉄男(西田敏行)山地太一郎(岸部シロー)
