けんかラーメン 1992年(平成4年) ドラマ傑作選
両親を亡くしたまゆみ(安田成美)は、賢司(風間杜夫)と一緒にラーメン屋を経営している。
賢司は、かつては食い逃げ少年だったが、まゆみの父親にラーメン作りを仕込まれ、更生したのだった。
二人はよく、はでなけんかをするが、要するにジャレあいのようなものだ。
ところがある日、ファッションメーカーの社長夫人が、ラーメン屋をやめて、高級パジャマの店を出せと
まゆみをたきつけたので事態は深刻化してしまう…。
まゆみと賢司は小さなラーメン屋に二人で暮らしている。
お嬢さん育ちのまゆみと、昔気質の賢司とは、しょっちゅう喧嘩が絶えない。
だが喧嘩するほど仲が良いなどという言葉もある。
我慢せずにお互いの考えを言い合える関係が、長続きするコツなのかも知れない。
まゆみは洋裁学校を卒業しており、その方面の仕事を志望していたのだが、両親が交通事故で
急逝し、やむなく店員だった賢司とともに、ラーメン屋を引き継ぐことになったのだ。
そんな折、まゆみと同窓の友人で、今はファッションメーカー社長夫人のふみ子から、
高級パジャマの店を経営してみないかと誘われる。
まゆみを演じた安田成美はこの当時、フジTV系「同・級・生」「素顔のままで」など、
トレンディドラマの主演が続き、順調にキャリアを重ねていた時期だった。
本作は、友人からファッション店の起業を誘われ、ぜひともその話に乗ってみたい気持ちがあるものの、
その一方で、ラーメン屋を閉店しなければならず、二者択一で揺れ動く心情を細やかに演じている。
また賢司を演じた風間杜夫は、古風で少し頑固なところがある店員を、彼ならではの個性豊かな
持ち味で演じ、演技派俳優としての力量を存分に見せつけている。
(制作)TBS(脚本)大石静
(配役)まゆみ(安田成美)賢司(風間杜夫)隣のおばさん(鈴木光枝)ふみ子(戸川京子)