きのうの敵は今日も敵 1995年(平成7年) ドラマ傑作選
嵐ポマードは、中堅の化粧品会社。だが、現社長が急死してしまい、にわかに次期社長問題が浮上する。
新社長には、長男の取締役宣伝部長、嵐公平(石田純一)が就くものと、社内ではもっぱらの噂。
だが、妻と死別、九歳になる男の子がいる公平には、その気がない。
逆に公平の異母弟、信英(榊原利彦)は、野望に燃えている。
彼は会社に外食事業部を起こし、天丼チェーン店を成功させている。
ある日公平は、酔っ払いに絡まれていた岡部恵子(黒木瞳)の危難を救い、それがきっかけで恋してしまう。
だが彼女は、信英の部下で外食事業部のメンバーでもあった。
本作は社長の跡目相続を描いたコメディー。
その器ではないと思っていた長男が、努力を重ねながら、二代目に育ってゆく過程がコミカルに描かれる。
主演の石田純一は、飛躍のきっかけとなった1988年「抱きしめたい!」から七年が過ぎ、今年で四十歳になった。
そして、役者としてもここ一、二年転機を迎えている。
本作では、これまでのさっそうとした二枚目役とは違って、憎めないが情けない三枚目のボンボン役だ。
石田のとぼけた味がなかなか好評で、同年代の男性陣からも共感を集めそうな、親しみやすい一面を見せている。
(制作)TBS(脚本)松原敏春
(主題歌)熊谷幸子「おはよう、ファニーガール」(作詞:マイカ・プロジェクト、作曲:熊谷幸子)
(配役)嵐公平(石田純一)岡部恵子(黒木瞳)嵐信英(榊原利彦)井上有三(北見敏之)
井上里美(風吹ジュン)神崎秀夫(蟹江敬三)嵐則子(藤村志保)杉山謙二郎(伊東四朗)