恋ノチカラ 2002年(平成14年) ドラマ傑作選
本宮籐子(深津絵里)は、大手広告代理店の庶務課に勤務するOL。
彼女は、30歳独身、恋人もなく、酒を飲むことだけが唯一の楽しみだ。
ある時、同僚の貫井(堤真一)が独立。新しい広告デザイン会社を興した。
その会社に、籐子も加わって欲しいという依頼が舞い込む。
籐子は、さんざん迷った挙句、貫井への憧れの気持ちもあって、
大手広告代理店を退職し、貫井の新会社に赴任する。
ところが、これが貫井の、とんだ勘違いだった。
秘書課の宮本曜子と、庶務課の本宮籐子を間違えて引き抜いてしまったのだ。
だが籐子は、前の会社を退職した手前、新会社に居座ることを決意する。
都会で暮らす三十代の男女の、等身大のハートフル・ラブストーリー。
新会社が立ち上がり、仕事を取りに行くが、元いた大手広告代理店に
邪魔をされ、仕事がもらえない日々が続く。
頼みの綱は、籐子のルームメイトである春菜(矢田亜希子)だった。
春菜の父親は、製薬会社の宣伝部長のため、籐子は一肌脱ぐことにした。
籐子は春菜の父親に、デザインの企画を採用してもらうことに成功する。
籐子は今回、新規顧客の獲得に貢献できたことに喜びを感じるのだった。
だが、これがきっかけで貫井と春菜はつき合いを始めてしまう。
その後、貫井は春菜との交際で心境に変化があり、社内の雰囲気も明るくなる。
じつは籐子は、貫井に淡い想いを寄せているのだが、その気持ちを隠して
貫井と春菜の恋を応援する。
一人でも平気と強がっているが、本当は寂しく、ちょっぴり嫉妬を感じたりもする。
でも、そんな自分を棚にあげ、人を励ましてしまうのが籐子の性格なのだ。
好きだからこそ、その人の幸せを最優先し、一番の理解者であろうとする。
そんなヒロインの繊細な心理を深津絵里が見事に表現している。
恋とは人を動かす大きなチカラ。本作はそれを気づかせてくれる作品である。
(制作)フジテレビ、共同テレビ(脚本)相沢友子
(配役)本宮籐子(深津絵里)貫井功太郎(堤真一)倉持春菜(矢田亜希子)木村壮吾(坂口憲二)
吉武宣夫(西村雅彦)須田真季(猫背椿)楠木賢明(志賀廣太郎)倉持勇祐(谷原章介)
倉持堅(児玉清)倉持澄子(木野花)長谷川郁子(菅原禄弥)寺石香里(久我陽子)