コウノドリ 2015年(平成27年) ドラマ傑作選

ペルソナ総合医療センターに妊婦の受け入れ要請がきた。
だがその妊婦は、これまで検診を受けたことがなく、妊娠月数も不明の「未受診妊婦」だった。
万一、感染症などがあれば、医療スタッフにとっても他の患者にとっても、極めて危険な患者となる。
スタッフがとまどう中、産婦人科リーダーの鴻鳥サクラ(綾野剛)は「お腹の赤ちゃんに罪はない」と
受け入れ体制を組むよう要請する。
果たして緊急搬送されて来た未受診妊婦・夏希(清水富美加)は無事に出産できるのか。
鈴ノ木ユウの人気漫画をドラマ化した作品で、産科医・鴻鳥(綾野剛)らが命の誕生の現場で奮闘する姿を、
さまざまな社会問題も織り込みながら描いている。
意外にも連ドラ単独初主演という綾野剛は、患者に寄り添う心優しき医者と天才ピアニストという
二つの顔を持つ鴻鳥サクラ役を熱演。新生児を見つめるまなざしも温かい。
第一話は、妊婦健診を受けず、妊娠週数も不明の「未受診妊婦」が題材。
その後も、切迫流産や未成年の妊娠、妊婦の喫煙、マタニティーブルーといった重いテーマが続くが、
人間愛にあふれた主人公・鴻鳥のキャラクターのせいか、悲壮感は感じられない。
脚本は「ゲゲゲの女房」などを手掛けた山本むつみで、今回の脚本を書くに当たり、全国各地の病院などに
取材を行ったという。
そのため医療ドキュメンタリーを見ているような緊迫感とヒューマンドラマがいい具合に融合している。
「コウノドリ」というタイトルそのまま、見るものに幸せを運んでくれるドラマである。
(制作)TBS(原作)鈴ノ木ユウ(脚本)山本むつみ(メインテーマ曲)Baby, God Bless You(作曲:清塚信也)
(主題歌)miwa「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」(作詞作曲:miwa)
(配役)鴻鳥サクラ(綾野剛)下屋加江(松岡茉優)小松留美子(吉田羊)白川領(坂口健太郎)四宮春樹(星野源)
大澤政信(浅野和之)向井祥子(江口のりこ)今橋貴之(大森南朋)荻島勝秀(佐々木蔵之介)矢野夏希(清水富美加)
