くちづけ 1957年 (昭和32年) 邦画名作選 |
真夏のある日の拘置所。欽一と章子の出会いは偶然だった。
バイクに乗って海へと向った二人は泳ぎ戯れ、心を通わせる。
最後はケンカのように別れたが、互いに忘れ難い存在になっていた…。
川口松太郎の名作を野添ひとみ主演で映画化した、増村保造の記念すべき監督デビュー作。
増村は後に女の情念をテーマに数々の作品を残すことになるが、本作ではその片鱗は感じられない。
本作はデビュー作ということもあり、健康的かつ現代的で、テンポのよい恋愛劇に仕上がっている。
「薄幸の美少女役」の似合う野添ひとみだが、本作では輝きに満ちた青春像を生き生きと演じている。
昭和35年、共演の多かった川口浩と結婚。二、三の映画に出演したが、引退し家庭の人となった。
その後、テレビCMで時折、姿をみせるようになったが、次女の白血病発病から次々と不幸に見舞われ、
次女の死後、夫川口も亡くなり、彼女自身も亡くなった。実生活でも薄幸のヒロインであった。
製作 大映
監督 増村保造
配役 | 宮本欽一 | 川口浩 | 白川章子 | 野添ひとみ | ||||||||
宮本大吉 | 小沢栄太郎 | 白川清子 | 村瀬幸子 | |||||||||
宇野良子 | 三益愛子 | 大沢和彦 | 若松健 |