ランチの女王   2002年(平成14年)       ドラマ傑作選

直線上に配置




麦田なつみ(竹内結子)は、カフェに勤める店員。唯一の楽しみは、休憩時間のランチタイムだ。


ある日彼女は、カフェの常連客(堤真一)から、突然婚約者のふりをしてくれと頼まれる。

聞けば、いきなり倒れてしまった父親に、嫁さんを紹介して安心させたいと言うのだ。


彼の実家は、洋食屋「キッチンマカロニ」で、先に行って店の様子を見てきて欲しいという。

店に入ったなつみは、さっそく好物のオムライスを注文する。


運ばれてきたオムライスを一口食べてみる。「おいしい!」となつみは満面の笑みを浮かべる。

だが、倒れたはずの父親はピンピンして働いている。いい加減な彼の話にあきれるなつみだった。





下町の洋食店「キッチンマカロニ」を舞台に、主人公・なつみと洋食店の面々との触れ合いを描く。


竹内結子演じるワケあり女性が、ひょんなことから洋食店の住み込みウエイトレスに。

洋食店には、様々な食材と共に、なつみにとって大好物のメニューが溢れていた。


オムライスにクリームコロッケ、ハンバーグなど、毎回これでもかと言わんばかりの誘惑が続く。

だが、洋食店を切り盛りする一家は、問題のある長男に振り回され、経営困難に陥っていた。



第一話、洋食店「キッチンマカロニ」を閉店するという話を聞いて、なつみが叫ぶ。

「ここのオムライス。本当においしかったの。なぜこんなおいしいもの、やめちゃうのよ。
いつも同じ場所にあって、変わらない料理が待っていてくれるって、すごいことなんだから」


たとえば、馴染みのある飲食店の閉店に、一抹の寂しさを覚えたことはないだろうか。

なつみの台詞のように、いつもそこにある奇跡は、当たり前すぎて気づかなくなっているのだ。


恋をしても、傷ついても、人は誰でもお腹がすくもの。
なにか嫌なことがあっても、おいしい物を食べただけで、気分が晴れることもある。


高級なモノではなく、身の丈に合った料理で充分、幸せを感じることができるのではないか。

意外と身近なところにある何気ない幸せ。本作は、それを気づかせてくれる作品である。
   

 
(制作)フジテレビ、共同テレビ(脚本)二木結希

(配役)麦田なつみ(竹内結子)鍋島権造(若林豪)鍋島健一郎(堤真一)鍋島勇二郎(江口洋介
鍋島純三郎(妻夫木聡)鍋島光四郎(山下智久)塩見トマト(伊東美咲)牛島ミノル(山田孝之)
酒井昴(EITA)山城秀美(梅宮万紗子)川端守(田窪一世)優美(鈴木えみ)飯田のり子(森田敦子)



直線上に配置