物づくりの町・東大阪に暮らす舞（福原遥）は、小学校四年生になったばかり。
あるとき原因不明の発熱にみまわれ、母、めぐみ（永作博美）の故郷である
長崎の五島列島に療養に行くことになる。
引っ込み思案だった舞だが、五島の小学校には初日からすんなりと溶け込めた。
やがて舞は、広い空に風を受けて力強く舞いあがる「ばらもん凧」に魅入られる。
あんなふうに空高く飛んでみたい──
空への憧れは、パイロットになる夢へと膨らんでいくのだった。
朝ドラのヒロインといえば、明るく元気が身上だったが、主人公の舞は、内向的で自分の気持ちをうまく伝えられない。
だが、そんな気弱な女の子が努力して大空を目指す、というのは、視聴者としては
やはり応援したくなってしまう。
つまずきながらも、舞は元気を取り戻し、やがて空への憧れからパイロットを志す。
そのきっかけとなったが、物語のキーアイテムである「ばらもん凧」だ。
五島列島の伝統工芸品で、子供の健やかな成長を願う意味が込められている。
凧は向かい風がないと上がらない。そして人の手助けによって空高く舞いあがる。
それは、引っ込み思案のヒロインが変わるきっかけの象徴ともなっている。
脇を固めるベテラン陣の円熟した演技も物語の見どころだ。
舞の父親を高橋克典、母親を永作博美、そして舞の祖母を高畑淳子が演じる。
ナレーションは、長崎出身で歌手のさだまさし。その物腰柔らかな口調は、
ヒロインの成長を優しく見守る語り部となっている。
（制作）NHK（脚本）桑原亮子
（主題歌）back number「アイラブユー」（作詞作曲：清水依与吏）
（配役）岩倉舞（福原遥／浅田芭路）岩倉浩太（高橋克典）岩倉めぐみ（永作博美）岩倉悠人（横山裕／海老塚幸穏）
望月久留美（山下美月／大野さき）梅津貴司（赤楚衛二／斎藤絢永）才津祥子（高畑淳子）
