書店員ミチルの身の上話 2013年(平成25年) ドラマ傑作選
ミチル(戸田恵梨香)は長崎の小さな町の書店に勤めている。
久太郎(柄本佑)という彼氏がいるが、実は東京の出版社から
営業に来る妻子持ちの一樹(新井浩文)と不倫している。
ある日ミチルは、書店の同僚に頼まれて宝くじを購入するが、
なぜか一枚余分に買ってしまう。
その後、頼まれて買った宝くじで二億円が当選していると知る。
枚数を確認したミチルは、頼まれた枚数より一枚多いことに気付く。
そこで、一枚余分に買ったくじのうち、その当選券を自分のものにする。
銀行の応接室へと通されたミチルは、二億円と記載された通帳を前に
放心状態になってしまう。
銀行の係員から引っ越しを勧められたミチルは心機一転、長崎を離れて
東京で暮らすことを決意するのだった。
もし宝くじが当たったら? 取り越し苦労だが、買ったことのある人なら一度は頭をよぎるはず。
その興奮と不安、疑心暗鬼な様子を戸田恵梨香が巧みに演じている。
劇中で、戸田演じるミチルが銀行の別室に案内されて、ある冊子を手渡される場面がある。
これは、宝くじの高額当選者だけに渡されるパンフレットのようなものだ。
内容は、高額当選により起こるトラブルを防ぐための、具体的なアドバイスが記されている。
たとえば、「当選証明書の発行を、銀行に依頼しておこう」というのがある。
これは、口座に高額入金すると、税務署から問い合わせがくる場合があるからだ。
そうした場合に備えて、当選証明書は、金の出所を証明する公的な書類になる。
原作は、推理作家・佐藤正午のサスペンス仕立ての衝撃作「身の上話」で、一枚の宝くじが、
平凡な人生を送るはずだった、主人公・古川ミチルの運命を大きく狂わせてしまう。
行員の勧めにより、東京に出奔したミチルだが、宝くじ売り場から1等が出たと知った
書店の同僚は、ミチルが持ち逃げしたと疑い始め、先々の展開に波乱を持たせている。
(制作)NHK(原作)佐藤正午(脚本)合津直枝
(主題歌)U-KISS「ALONE」(作詞:Kei Odate、作曲:Kohei Yokono)
(配役)古川ミチル(戸田恵梨香)竹井輝夫(高良健吾)上林久太郎(柄本佑)初山春子(安藤サクラ)
豊増一樹(新井浩文)高倉恵利香(寺島咲)立石武子(濱田マリ)沢田早苗(浅田美代子)
古川継徳(平田満)古川千秋(波瑠)ミチルの夫・語り(大森南朋)