ミツコ 二つの世紀末 1987年(昭和62年) ドラマ傑作選
東京・麻布の骨董屋の娘・光子は、1895年(明治28年)当時のオーストリア・ハンガリー帝国の
外交官ハインリヒ・クーデンホーフ伯爵に見初められて結婚する。
二人が知り合ったきっかけは、クーデンホーフ伯爵が日本に着任早々、乗っていた馬ともども
凍った道で転んで怪我をした時に、光子に助けられた、とのこと。
当時、光子(吉永小百合)は18歳、日本では初めての公式な国際結婚だった。
光子はやがて欧州に渡り、伯爵夫人の役目を果たそうと努めるが、十年後に夫が他界してしまう。
彼女は七人の子供と共に異国に残され、数奇な運命をたどることとなる。
本作は、吉永小百合がヒロインの青山光子を演じ、同時に光子の足跡を各地で取材する役も兼ねている。
五回シリーズの第一回は、光子の結婚と渡欧を中心に描かれるが、彼女が初めてウィーンを訪問したころ、
後のナチスの党首ヒトラーもこの地を訪れていた。
ドラマは、激動の二十世紀を力強く生き抜いた伯爵夫人・光子の伝記物語だが、彼女の生涯を、二つの
大戦とファシズムの嵐に揺さぶられたヨーロッパの歴史と重ね合わせて描いている。
(制作)NHK(脚本)茂木草介
(配役)青山光子(吉永小百合)青山喜八(加東大介)青山つね(奈良岡朋子)
ハインリヒ・クーデンホーフ(ミヒャエル・ミュンツァー)