成瀬巳喜男(なるせみきお)(1905-1969)
1905年(明治38年)8月20日東京四谷出身。 工学院大学中退。
1920年(大正9年)知人の紹介で松竹蒲田撮影所に小道具係として入社。
1930年(昭和5年)ナンセンス喜劇「チャンバラ夫婦」で監督デビュー
1933年(昭和8年)[君と別れて」で監督として頭角を現したが、小津安二郎の作風と重なることもあり、
新たに映画製作に乗り出したPCL(後の東宝)に移籍。
その第一作「乙女ごころ三人姉妹」を佳作に仕上げ、続く「妻よ薔薇のやうに」では、妻と妾と夫の
それぞれの人生模様を繊細な描写で示して成功に導き、第一級監督の地歩を占めた。
1955年(昭和30年)林芙美子原作の「浮雲」は、戦後の荒廃した世相を背景に、断ちがたい一対の男女の
愛憎の軌跡を人間の業(ごう)にまで深めた作品であり、自身の最高傑作となった。
代表作品
松竹「チャンバラ夫婦」(吉谷久雄、吉川満子、青木富夫、若葉信子)1930年(昭和5年)
松竹「腰弁頑張れ」(山口勇、浪花友子、加藤精一、明山静江、菅原秀雄、関時男)1931年(昭和6年)
松竹「君と別れて」(吉川満子、磯野秋雄、水久保澄子、河村黎吉、富士龍子、藤田陽子、突貫小僧、関口小太郎)1933年(昭和8年)
松竹「夜ごとの夢」(栗島すみ子、小島照子、斎藤達雄、新井淳、吉川満子、坂本武、大山健二、小倉繁、飯田蝶子)1933年(昭和8年)
東宝「乙女ごころ三人姉妹」(細川ちか子、堤真佐子、梅園竜子、林千歳、松本千里、三條正子、松本万里代、滝沢脩)1935年(昭和10年)
東宝「妻よ薔薇のやうに」(千葉早智子、丸山定夫、英百合子、伊藤智子、堀越節子、藤原釜足、細川ちか子)1935年(昭和10年)
東宝「噂の娘」(汐見洋、御橋公、千葉早智子、藤原釜足、大川平八郎)1935年(昭和10年)
東宝「桃中軒雲右衛門」(月形龍之介、細川ちか子、千葉早智子、藤原釜足、伊藤薫、三島雅夫、市川朝太郎)1936年(昭和11年)
東宝「女人哀愁」(入江たか子、堤真佐子、沢蘭子、清川玉枝、初瀬浪子、伊藤薫、御橋公)1937年(昭和12年)
東宝「鶴八鶴次郎」(長谷川一夫、山田五十鈴、藤原釜足、大川平八郎、三島雅夫、横山運平、中村健峯)1938年(昭和13年)
東宝「まごころ」(高田稔、村瀬幸子、悦ちゃん、入江たか子、加藤照子、藤間房子、清川荘司)1939年(昭和14年)
東宝「旅役者」(藤原鶏太、柳谷寛、高勢実乗、清川荘司、御橋公、深見泰三、中村是好)1940年(昭和15年)
東宝「なつかしの顔」(馬場都留子、花井蘭子、小高たかし、清川荘司、原純彦、沢井一郎、小高まさる、榊田敬二)1941年(昭和16年)
東宝「秀子の車掌さん」(高峰秀子、藤原鶏太、夏川大二郎、清川玉枝、勝見庸太郎、未鮫洲)1941年(昭和16年)
東宝「歌行燈」(花柳章太郎、柳永二郎、大矢市次郎、伊志井寛、山田五十鈴、瀬戸英一)1943年(昭和18年)
東宝「芝居道」(古川緑波、長谷川一夫、進藤英太郎、阪東橘之助、清川荘司、志村喬、大倉文雄、山田五十鈴)1944年(昭和19年)
東宝「三十三間堂通し矢物語」(長谷川一夫、田中絹代、市川扇升、河野秋武、葛城文子、田中春男、横山運平)1945年(昭和20年)
東宝「浦島太郎の後裔」(藤田進、中村伸郎、杉村春子、高峰秀子、三津田健、山根寿子、菅井一郎、龍岡晋、宮口精二)1946年(昭和21年)
東宝「四つの恋の物語」(木暮実千代、沼崎勲、英百合子、菅井一郎、小林十九二、竹久千恵子)1947年(昭和22年)
東宝「舞姫」(山村聰、高峰三枝子、片山明彦、岡田茉莉子、二本柳寛、見明凡太郎、木村功)1951年(昭和26年)
新東宝「銀座化粧」(田中絹代、西久保好汎、花井蘭子、小杉義男、東野英治郎、津路清子、香川京子)1951年(昭和26年)
東宝「めし」(上原謙、原節子、島崎雪子、杉葉子、風見章子、杉村春子、花井蘭子)1951年(昭和26年)
東宝「おかあさん」(田中絹代、香川京子、三島雅夫、中北千枝子、榎並啓子、片山明彦、岡田英次、加東大介)1952年(昭和27年)
大映「稲妻」(高峰秀子、三浦光子、村田知英子、植村謙二郎、香川京子、根上淳、小沢栄太郎)1952年(昭和27年)
東宝「妻」(上原謙、高峰三枝子、丹阿弥谷津子、高杉早苗、中北千枝子、伊豆肇、新珠三千代、三國連太郎)1953年(昭和28年)
大映「あにいもうと」(京マチ子、森雅之、久我美子、堀雄二、船越英二、山本礼三郎、浦辺粂子、潮万太郎)1953年(昭和28年)
東宝「山の音」(原節子、上原謙、山村聰、長岡輝子、杉葉子、丹阿弥谷津子、中北千枝子、金子信雄、角梨枝子)1954年(昭和29年)
東宝「晩菊」(杉村春子、沢村貞子、細川ちか子、望月優子、上原謙、小泉博、有馬稲子、加東大介)1954年(昭和29年)
東宝「浮雲」(高峰秀子、森雅之、中北千枝子、岡田茉莉子、山形勲、加東大介、木匠マユリ、千石規子)1955年(昭和30年)
東宝「驟雨」(佐野周二、原節子、香川京子、小林桂樹、根岸明美、恩田清二郎、加東大介、堤康久)1956年(昭和31年)
東宝「流れる」(田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、岡田茉莉子、杉村春子、宮口精二、加東大介、中村伸郎)1956年(昭和31年)
東宝「あらくれ」(高峰秀子、上原謙、森雅之、加東大介、仲代達矢、東野英治郎、岸輝子、宮口精二)1957年(昭和32年)
東宝「杏っ子」(山村聰、夏川静江、香川京子、太刀川洋一、木村功、藤木悠、中村伸郎、小林桂樹、加東大介)1958年(昭和33年)
東宝「鰯雲」(淡島千景、飯田蝶子、新珠三千代、司葉子、木村功、小林桂樹、加東大介、杉村春子、清川虹子)1958年(昭和33年)
東宝「女が階段を上る時」(高峰秀子、森雅之、仲代達矢、加東大介、中村鴈治郎、小沢栄太郎、淡路恵子、)1960年(昭和35年)
東宝「娘・妻・母」(三益愛子、原節子、森雅之、高峰秀子、宝田明、淡路恵子、仲代達矢、上原謙、杉村春子、笠智衆)1960年(昭和35年)
東宝「妻として女として」(高峰秀子、淡島千景、森雅之、星由里子、仲代達矢、水野久美、淡路恵子、飯田蝶子)1961年(昭和36年)
東宝「女の座」(笠智衆、高峰秀子、司葉子、星由里子、淡路恵子、杉村春子、宝田明、三橋達也、小林桂樹)1962年(昭和37年)
東宝「女の歴史」(高峰秀子、宝田明、山崎努、星由里子、賀原夏子、仲代達矢、淡路恵子、草笛光子、加東大介)1963年(昭和38年)
東宝「乱れる」(高峰秀子、加山雄三、草笛光子、白川由美、三益愛子、浜美枝、藤木悠、北村和夫)1964年(昭和39年)
東宝「女の中にいる他人」(小林桂樹、新珠三千代、長岡輝子、三橋達也、若林映子、草笛光子、加東大介、黒沢年男)1966年(昭和41年)
東宝「乱れ雲」(加山雄三、司葉子、草笛光子、森光子、浜美枝、加東大介、土屋嘉男、藤木悠、中村伸郎)1967年(昭和42年)