10月9日 タイムカプセル(31)昭和60年(1985年) タイム・カプセル
この年、羽田空港を離陸し大阪に向かった日航ジャンボ機が、後部ドアの破損を訴える緊急連絡の後、消息を絶った。
群馬県の御巣鷹山の尾根で機体が発見され、奇跡的に4女性が救出されたが、歌手の坂本九ら乗客乗員520人が
死亡するというわが国航空史上最悪の惨事となった。
客室内の機密を保持するための後部隔壁がずさんな修理のため金属疲労をおこして裂けたため、
垂直尾翼などが空中分解したのが原因とみられている。
(映画)第58回アカデミー賞「愛と哀しみの果て」
「コーラスライン」「ゴーストバスターズ」「グレムリン」「ランボー怒りの脱出」「ネバーエンディング・ストーリー」「アマデウス」
(音楽)第27回レコード大賞「ミ・アモーレ」 中森明菜
セーラー服を脱がさないで(おニャン子クラブ) 雨の西麻布(とんねるず) なんてったってアイドル(小泉今日子)仮面舞踏会(少年隊)シンデレラは眠れない(アルフィー)恋の予感(安全地帯)愛人(テレサ・テン)恋におちて(小林明子)Romanticが止まらない(CCB) 天使のウインク (松田聖子)
(テレビ)澪つくし(NHK 沢口靖子)シャーロック・ホームズの冒険(NHK 露口茂、長門裕之)しあわせの国 青い鳥ぱたぱた?(NHK 田中裕子、蟹江敬三、大友柳太朗)ループル美術館(NHK)ザッツ・ミュージック(NHK ジェームス三木、ジュディ・オング)バラエティー生活笑百科(NHK 西川きよし、笑福亭仁鶴、上沼恵美子、桂ざこば)夕やけニャンニャン(フジ
おニャン子クラブ)スケバン刑事(フジ 斉藤由貴、中康次、長門裕之) 年末時代劇スペシャル 忠臣蔵(NTV 里見浩太朗、風間杜夫、多岐川裕美、森繁久彌、丹波哲郎)女検事 霞夕子(NTV 桃井かおり、新克利、光石研)天才・たけしの元気が出るテレビ(NTV)ニュースステーション(テレ朝)
アッコにおまかせ!(TBS)毎度おさわがせします1(TBS 小野寺昭、篠ひろ子)毎度おさわがせします2(TBS 中山美穂、木村一八)金曜日の妻たちへIII 恋におちて(TBS 古谷一行、いしだあゆみ)少女に何が起ったか(TBS 小泉今日子、賀来千香子、石立鉄男、宇津井健、松村達雄)うちの子にかぎって…2(TBS 田村正和、森下愛子)
(スポーツ)阪神、27年ぶりの優勝、初めての日本シリーズ制覇で「六甲おろし」の大トラ・フィーバーに。阪神のR・バースが三冠王。
(ファッション)バルーンスカート
(流行語)「うざったい」 「金妻」 「実年」 「新人類」「ダブルポケット」(共稼ぎ世帯)「投げたらあかん」(鈴木啓示)「イッキ」「キャバクラ」「フォーカスされる」「やらせ」
(社会)02/27田中元首相脳こうそくで倒れる。03/11チェルネンコ書記長死去、ゴルバチョフ新書記長を選出。03/17科学万博−つくば'85が開催され、2,033万人が入場(〜9.16)04/01日本電信電話(NTT)日本たばこ産業が発足。08/12日航ジャンボ機、群馬県御巣鷹山に墜落。520人死亡、4人が奇蹟的生還。09/11ロス疑惑の三浦和義逮捕。11/02阪神タイガース、初の日本一に。全国で虎フィーバーが吹き荒れる。
(物故)笠置シヅ子、たこ八郎、天知茂、坂本九、夏目雅子、大友柳太朗、ユル・ブリンナー
(その他)中山美穂、TBS「毎度おさわがせします」でデビュー。本田美奈子 「殺意のバカンス」でデビュー。松田聖子、神田正輝と結婚。浅香唯「夏少女」で歌手デビュー。若島津、高田みずえと結婚。夏目雅子、白血病で死去
日本電信電話株式会社(NTT)日本たばこ産業(JT)ワープロルポ(東芝) 一太郎(ジャストシステム)1眼レフカメラ「ミノルタα−7000」ハーゲンダーツ、いちご大福(新宿玉屋)おニャン子クラブ結成、天皇在位60周年金貨、スーパーマリオ
魁!!男塾(少年ジャンプ)シティーハンター(少年ジャンプ)
恋におちて (金曜日の妻たちへ 主題歌)
金曜日の妻たちへIII 恋におちて
圭一郎(古谷一行)の前に、数年来、行方知れずになっていた桐子(いしだあゆみ)が現れる。
桐子は、圭一郎の妻・彩子(篠ひろ子)と女学生の頃からの親友同士。
そして、圭一郎は彩子と結婚する前、桐子と同棲していて結婚寸前だった。
だが、圭一郎の海外赴任がきっかけで別れたのだった。
しかも、桐子は離婚していて、現在は独身。
圭一郎は、かつて桐子に抱いていた熱い思いが蘇ってくるのを感じていた…。
「金曜日の妻たちへ」は、都会に住む団塊の世代の夫婦を描いたホームドラマ。
登場人物は、年齢が30代から40代前半の既婚男女らであり、生活程度は「中の上」で、
東京郊外の新興住宅地に暮らしている。
彼らはしばしば互いの家を夫婦で訪問し合ったり、一緒に近くのレストランに出かける。
だが、一見平和で優雅に見える彼ら夫婦にも、やがて浮気、妻の自立で波風が立ち始める。
舞台になった東急田園都市線沿線の新興住宅街でのおしゃれな暮らしぶりが「金妻タウン」と話題となった。
また、小林明子が歌う主題歌「恋におちて〜Fall in love〜」も大ヒットした。
日航ジャンボ機墜落事故
1985年(昭和60年)8月12日、羽田を飛び立った日本航空123便大阪行が飛行中に操縦不能となり、
御巣鷹山(おすたかやま 長野)の尾根に激突、乗員乗客500人超が犠牲になった未曾有の事故。
第一報は午後7時、NHKニュースで伝えた「レーダーから機影が消えました」の一言だった。
その後、各局が状況把握に追われたが、墜落の事実が明らかになったのは日付が変わる頃だった。
早朝、報道ヘリから映し出されたのは、まだ黒煙が上がる機体の残骸と、衝撃ではげあがった山肌。
絶望を絵に描いた状況の中、かろうじて生き残った一人の少女が自衛隊のヘリで救出される姿に
多くの人が涙した。
ニュースステーション
民放テレビに本格的な「報道の時代」をもたらした大型報道番組。
メインキャスター・久米宏、サブキャスター・小宮悦子、コメンテーター・小林一喜
の体制でスタート。(月〜金曜午後10時から11時18分まで)
ベルリンの壁崩壊、リクルート事件、昭和天皇崩御と、1980年代後半に続発した政変、
大事件を、週五日編成の強みを利して詳細に報道、人気を不動のものとした。
わかりやすい報道に加え、久米の「意見を言う」キャスターぶりが注目された。
(1985年10月から2004年3月まで放映、全4,795回)
澪つくし
女学生の梅木かをる(沢口靖子)は、銚子の浜で青年漁師・吉武惣吉(川野太郎)と出会う。
指に刺さったとげを、惣吉に抜いてもらったかをるは、乙女心に淡いときめきを覚える。
これがきっかけとなり、相思相愛の間柄になった二人は、様々な困難を乗り越え、祝言を挙げる。
だが不幸なことに、惣吉が漁で遭難、行方不明となり、かをるはショックで惣吉の子を流産する。
かをるは実家に引き取られ、実家の番頭であった梅木(柴田恭兵)と再婚、双子の男児も授かった。
そして遭難から五年目、フィリピンから記憶喪失の状態で送還された惣吉は、かをると再会する。
原作は、ジェームス三木の同名書下ろし小説。ヒロインは、1984年「第一回東宝シンデレラ」に
選ばれた新人、沢口靖子(19)、相手役は、早大生で昨年まで野球部にいた新人、川野太郎(22)
舞台は、昭和初期の漁業と醤油の町・千葉県銚子。銚子の「海者」と「おか者」は、昔から犬猿の仲だったが、
網元の長男・惣吉と、醤油醸造元のかをるは愛を育む。
ドラマは、二人の純愛物語を軸に、天然醸造醤油の伝統を守り抜く銚子の醤油商人たちの心意気が描かれる。
本作は、主演の沢口と川野の美形コンビの人気もあり、平均視聴率44.3%、最終回は55.3%の高視聴率を記録する大ヒット作品となった。
少女に何が起ったか
野川雪(小泉今日子)は、北海道の漁村で、母一人娘一人で暮らしている。
だが、不幸にも母親は病死してしまう。母の死後、雪の前に、一人の謎の男(宇津井健)が現れる。
そして「亡き父は有名なピアニスト、そして祖父は東音楽大学の学長だ」と聞かされる。
雪は、出生の秘密を知るために上京し、東音楽大学の学長(松村達雄)の自宅へ向かう。
だが、戸籍の父親の欄は空白、他にも出生の証拠となるものは見つからなかった。
学長の計らいで、東家の使用人として働くことになった雪は、同時に東音楽大学へ特待生として入学。
だが、東音楽大学には、雪に対する様々な嫌がらせが待ち受けていた。
物語は、北海道の一漁村に育った薄幸の少女が、出生の秘密を確認するために上京。
持ち前のバイタリティと純真さを失わぬ心で、見知らぬ東京の生活に飛び込む。
そして青春のすべてをかけ、所期の目的を達成するという現代版シンデレラストーリー。
主人公・雪の周囲に神出鬼没する謎の男、雪を執拗にイジメぬく刑事(石立鉄男)
など、先の読めないミステリアスな展開が人気を呼び、お茶の間の話題を独占した。
とりわけ、深夜になると現れ、ピアノの練習をする雪に「この薄汚ねぇシンデレラ!!」と脅す
石立鉄男の怪演ぶりは、今でも名場面として語り継がれている。
ピアノの演奏シーンがドラマの重要なヤマ場だったが、ピアノの経験のないキョンキョンの
代役を立てない挑戦ぶりも、話題づくりにひと役かった。
スケバン刑事
札付きのスケバン、麻宮サキ(斉藤由貴)は、東京から遠く離れた少年院に入所していた。
そんな彼女の許に、黒スーツにサングラスの男が訪ねてきたことから運命が動き始める。
その男は、サキの腕を見込んで、特命刑事としてある事件を解決することを持ち掛ける。
事件を解決すれば、死刑囚であるサキの母親の死刑執行を延期するという条件だった。
サキの母親は、夫殺しの罪で服役中だったが、サキは母親が冤罪であると信じていた。
サキは苦渋の涙を飲みつつ承諾し、事件の起きた聖アンナ女子高校に潜入するのだった。
校内暴力や金儲け主義で荒廃した私立高校に送り込まれた特命刑事のアクション学園ドラマ。
ヒロイン麻宮サキは、もと女番長のスケバンである。
死刑宣告された母へのひたむきな思いから、特命刑事を引き受けることに。
警視庁のマークの入ったヨーヨーが身分証明であり、強力な武器でもある。
ニヒルを装いながらも、その胸の内には正義感に溢れた熱い血が流れているのだ。
本作はシリーズ化され、旬なアイドルたちの主演で、しかもヨーヨーを武器にした特命刑事という
荒唐無稽な設定がかえってアナーキーな魅力になり、中高生を中心に熱狂的なファンを獲得した。
ザッツミュージック
幅広いジャンルから懐かしの名曲を紹介するポピュラー・ミュージック番組。
司会は、歌手で女優のジュディ・オング。
1985年10月から脚本家のジェームス三木を加え、二人司会に移行した。
厚みのあるオーケストラをベースに、実力派歌手、演奏家をゲストに迎え、
大人が楽しめる音楽番組として、中高年層を中心に強い支持を受けた。
年末時代劇スペシャル 忠臣蔵
元禄十四年、勅使餐応の大役を申し渡された赤穂の浅野内匠頭(風間杜夫)は、
指南役・吉良上野介(森繁久禰)からの度重なる侮辱にたえかね、刃傷に及ぶ。
幕府裁定で内匠頭は即刻切腹、お家は断絶となり、その悲報が赤穂の城代家老・
大石内蔵助(里見浩太朗)の許に届く。
赤穂藩士たちは内蔵助に、徹底抗戦か、仇討ちかと詰め寄る。
が、内蔵助の出した答えは公儀への城明け渡しであった。
内蔵助は、長年連れ添った妻と子供に別れを告げ、赤穂を離れ、江戸に上る。
やがて名を変え、職を変えて待機していた赤穂の浪人たちは、内蔵助の許に集結。
死装束に身を固めて、雪の積もる中を、吉良邸に討ち入るのであった。
討ち入りの目的が、主君の仇討ちというより、幕府の御政道の過ちを正すための行為
として位置付けられており、従来の忠臣蔵に新解釈を加えた意欲作となっている。
すなわち吉良が浅野に賄賂を要求して、様々な迫害をした事が原因となった事件なのに
幕府が殆ど裁判らしい裁判もしないで、一方的に浅野を処分して済ませてしまった。
そうした納得し難い裁きによって、藩を潰されるのは武士としての恥辱であり、
命がけの異議申し立てをしなければ、武士の意地が立たないという新解釈である。
本作は、時代劇のビッグスター・里見浩太朗が、幕府から受けた屈辱に歯をくいしばり、
じっと耐える大石内蔵助を重厚に演じ、さすがの貫禄と存在感を示している。
吉良上野介に、森繁久彌が扮しており、底意地が悪く、実に憎々しげな仇役を演じている。
単に悪役に徹しているだけでなく、やはり高家筆頭の雰囲気を醸し出しながら演じており、
その独特の気品と存在感は、さすが名優と思わせるものがある。
また堀内孝雄が切なく歌いあげる主題歌が要所ごとに流れ、涙を誘う一作となっている。
しあわせの国 青い鳥ぱたぱた?
大阪でOL生活を送るハナコ(田中裕子)は、退屈な日々の繰り返しにふと疑問を感じ、失踪する。
今は神戸にある便利屋「猫の手」で、アルバイトをしながら、気ままな日々を過ごしている。
店の隣には、男と遊ぶことに夢中な母親がいて、幼い男の子・ヒロはほったらかしにされている。
ある日ハナコは、一緒に食事をしてほしいという客・タロー(蟹江敬三)の依頼を受ける。
ヒロを伴なって単身赴任のタローのマンションを訪れたハナコは、食卓を囲みながら
かつてない温かみを感じる。
それぞれに寂しさを抱える三人は、まるで本当の家族のように惹かれ合っていく。
さらにそこに妻に先立たれた老人・今雄(大友柳太朗)が加わり、四人の奇妙な共同生活が始まる。
井沢満のオリジナル脚本。一見、荒唐無稽に見える展開の中に、とらえどころのない現代という
時代の不安定さをあぶり出している。
人間は、したたかに生きているように見えても、内実は頼りなく、孤独には弱いものであるらしい。
ましてや現代の殺伐さの中で生活する人々は、どこかで絆を求めたり、夢を追ったりして生きている。
本作は、そうした人々の心象をうまく映像化して、ひと味違ったドラマに仕立て上げている。
家出したハナコ、単身赴任のタロー、母親に捨てられたヒロ、そして行き場のない老人・今雄。
登場人物四人の即席家族は、本物の家族よりも気配りと思いやりに満ちていて、悲しくも美しい。
現実とメルヘンとの二重映しを、四人とも見事に演じ切って見せている。
女検事 霞夕子
霞夕子(桃井かおり)は、横浜地検に勤務する駆け出しの検事。
家はお寺だが、夕子は一人娘のため、家の跡継ぎがいない。
そこで、お坊さんの夫をもらい、検事の仕事を続けている。
今は母親と寺の住職の夫、そして一人息子の四人で暮らしている。
仕事はバリバリこなす夕子だが、家事は苦手のダメ主婦である。
そんなある日、横浜で開業歯科医が殺害される事件が発生。
殺人現場からは、犯人の手がかりとなる親指の指紋が採取された。
まもなく、被害者に恨みを抱く男の自殺死体が発見された。
男の指紋が現場にあったものと一致し、事件は一件落着かと思われた。
しかし夕子は、現場に残された犯人の指紋は、偽造ではないかと疑う。
文芸誌「群像」等に掲載された夏樹静子「検事 霞夕子シリーズ」のドラマ化。
主人公の女検事・霞夕子が、独自の推理で事件を解決する人気シリーズ。
本シリーズの特徴は、あらかじめ犯行場面が描写されるため、視聴者は、
犯人が分かった状態で物語が進行する。
その上で、霞夕子が、犯人のトリックを解き明かしていく過程や、
犯罪の背後に潜む複雑な人間ドラマの描写が見どころとなっている。
桃井かおり演じる霞夕子は、難事件に隠された真実を探りつつ、被害者の
目線に立って解決していく直観力と推理力に優れた敏腕検事だ。
ところが私生活では、肩の力が抜けてダメ主婦に早変わり。そんな落差が
魅力のひとつとなり、視聴者から人気を集めるドラマとなっている。
シャーロック・ホームズの冒険
4月の早朝、ホームズのもとに、全身黒ずくめのベールをかぶった女性が訪ねてくる。
彼女の名はヘレン・ストーナーで、サリー州の大邸宅で義父と共に暮らしている。
彼女は、結婚を控えていた姉ジュリアが亡くなった2年前のことをホームズに話した。
姉は就寝中に悲鳴を上げ「まだらの紐」という不可解な言葉を遺して発狂死したという。
その後ヘレンは、寝室の改修工事のため、姉が使っていた寝室を急遽あてがわれた。
すると、就寝中、生前の姉が口にしていた「口笛のような音」を耳にしたという。
身の危険を感じた彼女は、すがるような思いでホームズに助けを求めてきたのだった。
姉のジュリアはなぜ亡くなったのか、「まだらの紐」とは、一体何なのか。
一刻を争う事態と判断したホームズは、すぐさま現場に乗り込み、調査することにした。
コナン・ドイルの推理小説を原作としたミステリードラマの代表作。犯罪に関する科学的な
知識と豊かな趣味をもつ名探偵ホームズが、相棒のワトソンと難事件に挑む。
ワシ鼻で長身のホームズは、行動力に富み、常に冷静沈着。
趣味はバイオリンで、ボクシングはプロ級の腕前。
だが社交性はゼロで、退屈を紛らすために麻薬などの薬物に依存することもある。
彼の推理手法は、豊富な科学的知識を駆使して、現場を詳細に分析、どんなに突拍子の
ないことでも、あらゆる可能性を推理して、真相を突き止めるというもの。
今回の「まだらの紐」事件でも、鋭い観察眼と分析力により、犯罪のトリックを解明、
第二の犯行を未然に阻止し、事件を解決に導いている。
なお、日本語吹き替えは「太陽にほえろ」の「山さん」役でお馴染みの露口茂。
露口の落ち着いた味のある声が、ホームズの冷徹な印象に人間味を与えている。
土曜お昼の法律番組「バラエティー生活笑百科」(1985年4月〜2022年4月)
関西発の法律相談番組で「四角い仁鶴がまぁるくおさめまっせ」を売り文句に、
主に視聴者から寄せられた相談を弁護士が回答する番組。
最初に、相続や離婚といった身近な暮らしのもめ事を芸人が漫才にして紹介した後、
ゲストと二名の相談員がジャッジ、最後に弁護士が解説を加えるというもの。
法律と言えば難しいものと考えがちだが、トラブルの事例を芸人が面白おかしく紹介し、
漫才で笑って、しかも法律の勉強にもなるという、まさに一石二鳥の番組となっている。
司会(相談室長)は、落語家の笑福亭仁鶴。レギュラー相談員は、上沼恵美子、桂ざこば。
夕やけニャンニャン
女子高生ブームに火をつけたバラエティ。
フツーの女の子が、学校のクラブ活動の乗りで、片岡鶴太郎やとんねるずの
お笑いタレントを相手に遊んで楽しむという趣向。
女子大生ブームを巻き起こした「オールナイト・フジ」の女子高生版として、
平日の午後5時台という時間帯にもかかわらず、高視聴率をマークした。
「アイドルを探せ」コーナーで選ばれた女の子で構成した「おニャン子クラブ」
が歌う「セーラー服を脱がさないで」は、30万枚を超えるヒット。
彼女たちの本「ぜ〜んぶおニャン子」は、ベストセラー1位になった。
だが、番組は成功したものの、社会的にも女子高生を無責任にもてはやす風潮を
生み、一部に批判も出た。
キャバクラ
キャバクラという新語が生まれ、流行語になったのが1985年である。
世はまさに、近所のお姉さん風の素人っぽさが受ける時代となった。
この年は、フジテレビ「夕やけニャンニャン」が中高生の話題を集め、
番組に登場する女子高生たちの「おニャン子クラブ」が人気を博した。
確かにこの頃のキャバクラの多くが「ホステスは全員素人の女子大生」を
売り文句に掲げて営業を展開していた。
キャッチフレーズは「3回通えばデートもできる」だ。
キャバクラは「疑似恋愛」を売り物にしている。
「もしかして…」と勝手な妄想を客に抱かせるのだ。
ある歌舞伎町の店長はこう説明する。
「とにかく女の子にモテたい。でもソープのようなど真ん中の場所には行きたくない。
キャバクラは、そうではなく、心のときめき、ドキドキ感を狙ったサービス業です」
ではキャバ嬢は、どれくらい稼ぐのか。歌舞伎町のトップクラスだと月収300万円超、
時給にして3万円は稼ぐという。(講談社 キャバ嬢の給与明細)
税金対策なのか、給与の支払いは現金で渡すのが主流である。
「そんな大金を受け取って盗難に遭ったり、落としたりしたらどうするんだ」
などと勝手な心配をしてしまう。
だが彼女たちは、札束の入った封筒を無造作にバックに突っ込み、自宅に帰るという。
なんとも豪気な世界である。
コーラスライン(A Chorus Line)1985年(米) ディレクター兼コレオグラファーのザック(ダグラス)は、新しいショーのためのコーラスダンサーを 選ぼうとオーディションを敢行する。ショー・ビジネスに夢を馳せる大勢の若者たちが集まった。 最終選考の質疑応答で、ザックは残った16名に、様々な質問を浴びせ、その素顔を浮き彫りにしてゆく。 各々ダンスにその青春の全てを賭けた16名の候補者がひとにぎりの役を争う。彼らの真摯な姿を見て、 自分はこんなに一生懸命になったことがあったかと、自らの人生を振り返ってしまう。 観客の一人一人に夢を見ることの力を思い出させてくれる作品である。 (監督)リチャード・アッテンボロー(Richard Attenborough) (出演)マイケル・ダグラス(Michael Douglas)アリソン・リード(Alyson Reed) |