モンスターペアレント   2008年(平成20年)       ドラマ傑作選

直線上に配置




若手ながらその美貌と手腕で業界でも知られた弁護士・高村樹季(米倉涼子)は、

上司の依頼で市の教育委員会へ向かう。


職員の望月(平岡祐太)に案内されていった小学校は「モンスターペアレント」による

学級崩壊寸前の学校だった。

樹季が目にしたのは、「娘が写っている遠足の写真が少ない」といった些細な理由で、

執拗な抗議を繰り返す保護者たちの姿だった。


彼らは先生を先生と思わず、「あんたなんか教師失格だ!」「教師を辞める誓約書を書け!」

などと何時間も罵声を浴びせるのだ。




教育と学校経営も滅茶苦茶にされ、心を病んでしまう教師も少なくないという。


当初は乗り気でなかった樹季だが、教育現場の実態を目の当たりにして、次第に

モンスターペアレントたちと真剣に向き合っていこうと決意するのだった。



モンスターペアレント、略して「モンペア」は、理不尽な要求を繰り返す保護者のことらしい。

主演の米倉涼子 は、そんな「モンペア」対策のために、教育委員会に雇われた弁護士という役柄。


モンペアに対して、校長と担任教師が「ご無理ごもっとも」と、ひたすら卑屈に対応する場面など、
大変リアルで、実態を鋭く突いていると思われる。


教育委員会のほうも、不甲斐ない事このうえない。弁護士を雇っておきながら、仕事のやり方に
いちいち口をはさむばかりで、自分たちは何もしないのだ。


モンペアと真っ向から対決する弁護士の活躍を期待した視聴者は肩透かしを食うことになる。

いきおい孤軍奮闘となった弁護士は前半、モンペアにやられっぱなしになってしまうからだ。


何よりも、自己主張ばかりで他人の言葉に耳を傾けようともしない、こんな親に育てられる子供は
将来どうなってしまうのか、それが一番の気がかりだ。



(制作)KTV(関西テレビ)共同テレビ(脚本)荒井修子

(主題歌)徳永英明「愛が哀しいから」(作詞:山田ひろし、作曲:徳永英明)

(配役)高村樹季(米倉涼子)望月道夫(平岡祐太)城山幸太郎(草刈正雄)田川龍之介(角野卓造)

三浦圭吾(佐々木蔵之介)小山和明(温水洋一)相原エリサ(大友みなみ)真田雅之(内田滋)

渡辺秋枝(木村佳乃)川本好子(南野陽子)


直線上に配置