無人島の暮らし方(1)

「無人島・・・それは人の居ない島」

あら大変、あなたの乗った船が沈没。
あなたは無人島に流れ着いてしまった。

流れ着いたのはあなた一人だけ。一応島の様子を確認したところ、外敵はいそうにない。
ひとまず安心。

けれども、あなたは、無人島で暮らすことになってしまった。

無人島には、電気も水道もなく、ガスレンジもない。
携帯電話もなく、ラーメンの出前もとれない。

もともとそこにあった土と海と動植物をのぞけば、無人島には人間のために存在するものは何もない。
一滴の水さえも自分の足で見つけなければならず、火も自分の手でおこさなければならない。

さあ、あなたは、果たしてうまく生き残ることができるだろうか?


(ここでちょっと、頭の体操)

デパートで、5つだけ買い物をして良いことになりました。
さて、あなたは、無人島に何を持って行きますか? 次の中から、5つだけ選んでください。

@ カメラ  A 雨具  B ナイフ  C ミラー  D ビニール袋  E 釣りざお  F バケツ  G 磁石  H 時計  I 医薬品  J 飯盒
K ロープ L 虫メガネ M テント N ホイッスル O 針金 P 火打ち石 Q かんづめ R 懐中電灯 S 双眼鏡


本当にそれで無人島で暮らせますか?
生きるために必要なものっていったい何だろうか? (解答は、1月22日へ) 




水の確保方法 (その1)



水を集める方法の基本は、雨水を集めることである。
容器に貯めても良いし、木を四本立て、その間にビニールを張って、水を貯めるのも良い。

<太陽熱の水蒸気を利用して水を得る方法>

水を貯める容器とビニール袋を用意。
太陽が一日中当たる砂地を選び、ビニール袋で覆える程度の穴を掘る。

深さは穴の半径ぐらいで掘る。
シートの中央には重石を置いて、水が容器に入るようにする。(左図)





<容器を利用したろ過装置で浄水する方法>

フキ、アシ、セリなど湿地に生える植物の近くには水があるはず。
また干上がった渓谷を掘り下げれば水が湧く。

砂や砂利の場所は雨水の吸水性がいいため、見た目と違って地下水を探しやすい。
しかし、たまり水を直接飲むのは危険。

沸騰させるか、浄水器を使う。(左図)


ペットボトルを利用した浄水器。(右図)
(喜多方市水道課)








<水中の生物で水質を判断する法>

水質    水中の生物 
一級    ザリガニ、エビ類。そのまま飲める。 
二級    昆虫の幼虫。ろ過等で浄水が必要。 
三級    巻貝、カタツムリ。蒸留が必要。 
四級    トンボ、ガやハエの幼虫。要蒸留。 
五級     ボウフラ、ミミズ。要蒸留。 






水の確保方法 (その2)

自然界の水には、多くの不純物が混じっている。
雨水には、空気中の様々な物質と重金属、放射性物質が混じっており、地下水には珪酸、鉄、マンガンなどが、溶けている。

ザリガニは全く汚染されていないきれいな水にしか生息しないため、水質把握の重要な基準になる。
水の等級を決める基準はBOD(生化学酸素要求量)


浄水器に、木炭を入れておけば、不純物を吸着できる。
炭の表面には、直径千分の一ミリの小さな穴が無数にあいている。
「多孔性」物質である炭は、吸着力が優れているので、水の中の異物を取り除くにはまさに打ってつけである。

浄水器によるろ過は、機械的な方法であるが、浄水効果は抜群である。
ただし、毒性のある鉱物成分が溶けている水は、ろ過では、浄化されず、沸かしてもだめなので、必ず蒸留して飲まなければならない


<海水の蒸留により水を得る方法>

海水をそのまま飲めば、脱水症状や腎臓障害を起こしてしまう。
人間の血液には、約0.9%の塩分が含まれている。

この比率を超えると、人体は、もとの塩分の比率にもどるために、普段より多くの水を求めるようになる。
海水を飲むと渇きを感じるのもこのためである。

海水の塩分濃度は、約35パーミリ(千分率の単位)。
海水一リットルに35グラムの塩が溶けているということである。

海水から真水を取り出すには、左図のような蒸留器を使う。
海水の入っているバケツの上を別の容器でふさぎ、中には海水を適当に注ぐ。

海水が沸き始めると、上の容器の底には、水玉がぽつぽつとできはじめ、その水玉は、内側の容器中に落ちる。
熱い水蒸気が、上の容器の海水により冷却されて、再び液化されるのである。

蒸留は、液体を沸点まで加熱して蒸発した物質を、再び冷却して液体にすることである。
この過程で、液体に溶けていた様々な混合物が成分別に分離される。

この現象がおきる理由は、各々の物質の沸点が違うからであるが、沸点がもっとも低い物質が一番最初に蒸発する。