マイファミリー 2022年(令和4年) ドラマ傑作選
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鳴沢温人(二宮和也)は、オンラインゲーム会社の社長。
妻の未知留(多部未華子)、娘の友果と三人で暮らしている。
ある日、最愛の娘が誘拐されるという事件に巻き込まれる。
犯人の要求は、身代金五億円、そして警察には連絡するなという。
だが、夫婦二人だけでは無理だという判断から警察に通報する。
すぐに誘拐事件の捜査本部が設置された。
だが、身代金受渡しの直前、警察の介入を犯人に知られてしまう。
犯人は警察の排除を要求。さもないと、人質の娘を殺すと脅迫。
そこで温人は「警察排除」のためにSNSと世論を巧みに利用する。
そしてネットニュースで娘の誘拐事件を公表した。
狙い通り世間の批判が殺到し、警察はやむなく撤収を余儀なくされる。
主人公・鳴沢温人の一人娘が誘拐されてしまうところから物語が始まる。
娘を助けるための唯一の方法は警察を排除し、夫婦二人だけで犯人と交渉すること。
だが、スマホを通じた交渉は、警察に盗聴される恐れがあった。
そこで警察に探知されずに、犯人と連絡を取る方法が採用された。
それは犯人にオンラインゲームに参加させ、ゲーム内で犯人と連絡を取り合う方法だった。
この方法には、オンラインゲームに参加する犯人の位置情報を探るという目的もあった。
これは温人の、仮想世界と現実の狭間で、警察と犯人の双方を欺くための策略だった。
そして温人は、犯人の元へ接近し、身代金と交換に、娘の救出に成功する。
だが、事件は解決したものの、やがて、同一犯人によって同じ悲劇が繰り返されるのだった。
主人公・鳴沢温人は、ゲーム会社の社長で何もかもを手に入れたはずだった。
だが、仕事の忙しさから、家庭の事は無関心であり、妻との関係も冷えきっていた。
知らず知らずのうちに、家族との間に出来てしまった大きな溝。
皮肉にも娘の誘拐をきっかけに、自分の生き方が間違っていた事を痛感する。
劇中では、当たり前に感じていた日常が、どんなに幸せだったのか、何故、もっと
家族に寄り添う事が出来なかったのかという、温人の心情が描かれる。
身代金受渡しにおいても、家族や仲間の協力なくして、自分一人では何も出来ずにいた。
自分には、こんなにも支えてくれる存在があった事を今更になって気づくのだった。
本作は、二転三転する先読みできないストーリー展開、張り巡らされた伏線などが
視聴者の注目を集め、最終回の世帯平均視聴率は16.4%を記録した。
(制作)TBS(脚本)黒岩勉
(配役)鳴沢温人(二宮和也)鳴沢未知留(多部未華子)鳴沢友果(大島美優)三輪碧(賀来賢人)
東堂樹生(濱田岳)阿久津晃(松本幸四郎)立脇香菜子(高橋メアリージュン)鈴間亜矢(藤間爽子)
葛城圭史(玉木宏)吉乃栄太郎(富澤たけし)
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