新ニューヨーク恋物語 2004年(平成16年) ドラマ傑作選
ニューヨークのロングアイランドでワイナリーを経営する田島雅之(田村正和)は、
マンハッタンを見下ろす高級アパートメントで、ひとり孤独に暮らしていた。
あるとき田島は、ひょんなことから英子(竹内結子)という若い日本人女性と知り合う。
ハイヒールのかかとが、マンホールの蓋にはまって困っているところを助けたのだった。
それを機に、英子はたびたび田島のところにやって来るようになった。
やがて彼女は、田島のもとでメイドの仕事をしたいと言い出す。
だが、英子の本当の目的は、FBIに命じられて、田島の身辺を調査するためだった。
田島には、政治家への不正献金を仲介しているという疑いがあったのだ。
1988年、ニューヨークを舞台にした大ヒットドラマ「ニューヨーク恋物語」の続篇。
ワイナリーを経営する田島(田村正和)は、日系企業と上院議員の裏取引を仲介するブローカー。
そんな田島を調査するため、FBIから派遣された英子(竹内結子)が田島のメイドになるのだが、
田島の身辺を探っていくうちに、二人の距離がグッと近付いてしまうのだった。
本作で特に印象深いのは、英子を演じた竹内結子の醸し出す、切なくも一途なひたむきさだ。
田村正和演じる田島は、老いて目が不自由になってしまい、自らの人生に終焉を感じていた。
そんな彼を英子は献身的に支え続け、やがて二人は互いに惹かれ合うようになる。
親子ほど年の離れた二人なのだが、違和感を感じさせないのは、竹内の演技があるからこそ、
という感が強い。
一方、田村正和はこのとき61歳、この年にして、いまだにこんなロマンチックな役どころを
さりげなく演じきれる俳優はハリウッドにさえ存在しないだろう。
しかも、年齢を重ねた大人の男として「愛なんてものは幻想に過ぎないんだ」なんて台詞を
さらりと言ってのけるカッコよさ。まさに田村正和は、永遠の二枚目スターである。
(制作)フジテレビ、共同テレビ(原作)鎌田敏夫(脚本)大石静
(主題歌)井上陽水「リバーサイドホテル」(作詞作曲:井上陽水)
(配役)田島雅之(田村正和)藤倉英子(竹内結子)小池一徹(柳葉敏郎)小池美姫(李恵淑)
滝井ジェイムズ祐二(石黒賢)西野恵(渋谷亜希)サワコ(山村美智)