ノンちゃんの夢 1988年(昭和63年) ドラマ傑作選
ノンちゃんこと暢子(藤田朋子)は、昭和20年8月15日の終戦を高知で迎えた。
父親を亡くしてから、母の幸子(丘みつ子)、妹の真理子(西村知美)と共に
伯父・市太郎(中村梅之助)の家に身を寄せている。
その暢子に見合いの話が持ち上がった。相手は博史(山下真司)という青年だった。
だが、暢子には、ほのかに思いを寄せている男性がいた。
それは、海軍少尉の雄一郎(船越栄一郎)だった。
この地方には見合いをしたら断われないという慣習があった。
だが、暢子は見合いの席で「私、実は好きな人がいます!」と爆弾発言をして
周囲を驚かせてしまうのであった。
戦後の混乱期を背景に、復興を始めた東京で人々の役に立つ本を作りたいと願った
少女が持ち前の行動力と明るさで、その願いを実現していく姿を描く。
当時は女性の社会進出がきわめて困難だった時代、ヒロインのバイタリティあふれる姿
が大いに視聴者の共感を得て、番組は平均39.1%、最高視聴率は50.6%を記録した。
今や女優の登竜門とされている朝ドラのヒロイン役。
七百名を超えるオーディション参加者の中から、今回「ノンちゃん」こと
結城暢子役をみごと射止めたのが、東京生まれの22歳、藤田朋子である。
今春、玉川大学外国語学科を卒業予定の彼女は、「明るくて頑張り屋」と
自己アピールしている。
これはまさにヒロイン「ノンちゃん」のキャラクターにぴったりだ。
撮影が始まると、テレビ初出演にもかかわらず、彼女のハキハキしたセリフや、
新人離れしたメリハリの利いた演技は、大型女優の素質十分。
(制作)NHK(脚本)佐藤繁子
(配役)結城暢子(藤田朋子)結城幸子(丘みつ子)結城菊(南美江)結城真理子(西村知美)
結城市太郎(中村梅之助)中元操(鈴木保奈美)武野博史(山下真司)蓮見雄一郎(船越栄一郎)
中川房代(山田邦子)中川信吾(石黒賢)中川壮吉(竜雷太)