コメディーお江戸でござる 1995年(平成7年) ドラマ傑作選
ある日、長屋の家主・喜平(山田吾一)が質屋に名のある壺を持ち込む。
質屋の主人・伝兵衛(伊東四朗)は、その壺は偽物なので値打ちはないと言う。
実は喜平は、ばくちの借金百両を返済しなくてはならなかったのだ。
だが、壺以外に返済のための質草がない。
困った喜平に伝兵衛は、百両を貸す条件として、長屋を質草として要求する。
芝居小屋風の舞台で、江戸庶民の暮らしをコミカルに再現した公開収録番組。
伊東四朗が座長をつとめる一座による芝居を中心に、江戸風俗評論家・杉浦日向子の
面白江戸講座、若手演歌歌手の歌などで構成されていた。
芝居が上演されたあと、長屋など建物や土地といった不動産は質草にならないこと、
また質屋をめぐる江戸時代の風習について、杉浦日向子の解説が行われる。
江戸の庶民は、夏が来たら布団を質屋に入れ、冬になると今度は蚊帳を質草にして
布団を請け出すというように質屋を収納場所としても利用していたらしい。
コメディーと解説をミックスした番組で、喜劇でありながら教養的な満足感も得られる
新感覚の番組として、2004年に終了するまで9年間にも及ぶ人気長寿番組となった。
(制作)NHK(脚本)海老原靖芳
(配役)伊東四朗、山田吾一、えなりかずき、前田吟、車だん吉、長山洋子、野川由美子、杉浦日向子