おんなは度胸 1992年(平成4年) ドラマ傑作選

母親を早くに亡くした玉子(泉ピン子)は、東京で弟妹の母親代わりをしながら、
父親の小料理屋「割烹やましろ」を手伝っていた。
やがて玉子は、店の得意客・花村清太郎(藤岡琢也)に惹かれ、彼の後妻に入ることに。
嫁ぎ先は、温泉ブームに取り残された有浜温泉の老舗旅館「はなむら」
女将として頑張り始める玉子だが、先妻の長女や帳簿を握る仲居から敵対視され、
次女・裕子(桜井幸子)からも冷たい視線を向けられる。
だがやがて、玉子の懸命に働く姿に感銘を受けた裕子は、玉子とともに旅館を支えようと奮闘する。
ドラマは今から約十年前の関西の温泉旅館が舞台。後妻として東京から嫁いだ玉子(泉ピン子)が、
清太郎の次女・裕子(桜井幸子)とともに、老舗旅館を支えていくというNHK版「細腕繁盛記」
何ごとにもひたむきに一生懸命汗して頑張る玉子と、旅館を継ぐ気など毛頭なかった裕子が、
玉子の姿に感銘を受けていく過程が見どころの一つ。
もうひとつは、先妻の長女(藤山直美)と古参の仲居(園佳也子)のコンビによる玉子いびり。
とにかく突然、東京の小料理屋からやってきた玉子はえたいのしれない存在。財産目当てかと
警戒するのも当たり前の話。それゆえ玉子のやること成すことに、いちいち文句を付ける。
この二人から、ポンポンと威勢よく出る「いびり」はエネルギッシュで辛らつだ。
「あまりいじめないで」「ひどすぎる」といわれながらも、ヒロインへのいびりが冴えるに従い、
視聴率が大幅にアップ。(最高視聴率45.4%)
奇妙といえば奇妙な話だが、これも視聴者の心を的確につかんだ橋田寿賀子の脚本と役者の
名演技の成せるワザであろうか。
なお、ダブルヒロインとして、花村家の次女を演じたのは新人の桜井幸子。
600人の応募者から、オーディションで選ばれた千葉県出身の18歳。
慣れない大阪弁には苦労したようだが、きらりと光る存在感で視聴者を魅了した。
(制作)NHK(脚本)橋田寿賀子
(配役)花村玉子(泉ピン子)花村裕子(桜井幸子)花村清太郎(藤岡琢也)花村達子(藤山直美)
仲居・芳枝(園佳也子)山代勇造(いかりや長介)坂田啓介(香川照之)語り(奈良岡朋子)
