おんなの時代 1987年(昭和62年) ドラマ傑作選
商社勤務の初子(浅茅陽子)は、入社して18年目、初の女性管理職に抜擢された。
会社の目的は、女性を起用して企業のイメージアップをはかることのようだが、
仕事は社内で最もふるわない雑貨の販売で、部下も美子(左時枝)一人だけ。
初子は、美子やかおり(田中好子)と女性だけのプロジェクトチームを作り、
アイデアを出し合う。やがてその成果が現れて売り上げも急増する。
しかし部内の男たちはどこか面白くない。「商売で女を武器にしている」
「彼女を管理職にした支社長と怪しいのでは」こんな陰口がヒソヒソ。
浅茅陽子が、管理職として奮闘するキャリアウーマンをきびきびと演じている。
ドラマは、女性が男性と同等に仕事するのを好まない「男社会」の意識が
女性の視点から捉えられていてなかなか面白い。
1986年に男女雇用機会均等法が施行され、女性の地位向上が注目されはじめた
時期でもあり、女性への応援歌として時宜を得たドラマとなっている。
脇役ながら田中好子が、上司との不倫に悩む女性を瑞々しく演じている。
仕事一筋に生きる初子との対比が際立っていて印象に残る。
(制作)NHK(脚本)田向正健
(配役)染井初子(浅茅陽子)梶山徹(柴俊夫)明石かおり(田中好子)神津孝男(児玉清)
美子(左時枝)支社長(久米明)初子の父(金子信雄)