女と味噌汁 1965年(昭和40年) ドラマ傑作選

てまり(池内淳子)は、新宿の弁天池界隈で名を馳せる芸者。
ゆくゆくは自分の小料理屋を持ちたいという夢がある。
その夢を叶えるべく、毎晩のように、弁天池脇にライトバンで
自慢の味噌汁とおにぎりを売る店を出している。
気丈に生きようとする彼女だが、やはり花柳界の女の定めのように
様々な男たちと行き交いすれ違う。
酔いつぶれた挙句、てまりの家へ転がり込むサラリーマンの桐谷(佐藤英夫)、
そして、てまりを娶ろうと心に誓う、病院長の太田(原保美)など、
てまりにはなかなか心の休まる日がない。
そんな中、咲村と名乗る男が、てまりの弟と名乗って訪れる。
主人公・てまりは、深夜と昼間は味噌汁屋台で働く家事の大好きな芸者。
着飾って媚びを売るのは得意だが、私生活ではろくに家事もできない…
そんな芸者イメージをひっくり返す甲斐甲斐しい女性だ。
アパートに戻れば、味噌汁はもちろん、お茶をいれても、掃除をしても天下一品。
「漬物の色を良くするには、クギを入れると危ないから、パチンコ玉を」といった
てまり流「生活の知恵」も披露していた。
当時、家事の手抜きが目立ってきた主婦たちへの皮肉な一撃とも評された作品である。
主演の池内淳子を取り巻く山岡久乃、新人の長山藍子ら芸者仲間たちも芸達者で息が合っていた。
また篠田三郎、竹脇無我など、二枚目スターがゲスト出演するのも女性ファンの楽しみだった。
(制作)TBS(脚本)平岩弓枝
(配役)室戸千佳子/てまり(池内淳子)小桃(長山藍子)村井すが(山岡久乃)小せん(佳島由季)
染丸(桂由季子)ぴん子(結城美栄子)金とき(一の宮あつ子)桐谷広二(佐藤英夫)太田清雄(原保美)
